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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・横尾side

横「そうか」

宮「なっ、なに!?」

横「石だよ石」

宮「えっ、それって」

横「太輔が、選んだ赤い石さ」

宮「へっ?」

横「宮田お前も覚えてるだろダーク族の長だけが持つ水色の」

宮「ぁ…うん‥でも」

横「店主が言っていた最期の持ち主の血によって染まってしまったんだろうって」

宮「ちょ、ちょっと待ってそれじゃキタミツか、ガヤさんの血って事になるじゃん」

横「あぁ、確実にな」

宮「そっ、そんなの」



どっちにしろこれで分かった俺が一気に最期まで思い出したのは。

羽根を手に入れる前に赤い石の光を浴びてしまったからだ。

つまり―



宮「じゃどうしてキタミツには、なんの影響も出ないわけ」

横「それは、俺にも分からない。がもっと分からないのは」

宮「なぜ今さら記憶が甦らなければならなかったのか」

横「辛いだろうけど教えてくれ」

宮「‥‥っ」

横「あの日、お前らの身に一体なにがあったのかを」

宮「横尾さん、クッ」



俺達は、あのとき。



横「宏太、準備は出来たか」

薮「うんでも大丈夫かな」

横「何が?」

薮「西の連中に子守りなんか頼んで」

横「あいつらは、そういうのに慣れてるから心配いらない」

薮「俺が言ってるのはそういうんじゃなくて変な影響を受けるんじゃないかってことだよ」

横「まだあんなに小さいんだ、それはないんじゃない」

薮「もう渉は全然分かってないや」

横「んっ?」



予想外に教育ママになっていた宏太、その溺愛ぶりは半端なく。

これじゃ息が詰まるだろうと見かねた内が…



横「新婚旅行?」

内「行って来いやたまには夫婦水入らずっていうのもいいんやない?ニコッ」

横「でもな」

内「今のうちやろもうちょい大きくなったらそれどころじゃなくなるんやで」

横「まぁ、フッ」



だからその留守の間に起きた出来事を俺らは知らない





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