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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・横尾side

3日後―

帰って来た自分たちが目にしたのは…



薮「なっ、なに!?どうなってるのこれ!なにがあったっていうんだよ」



壊れまくってる数々の家と



薮「宏光、トッツー玉森、宮田、千賀、亮太あぁー」

横「太輔、郁人、ニカどこだ?五関、屋良」

薮「塚ちゃん、ハッシー、江田ちゃんも皆いない」



そこら辺に転がっている、わけの分からない生き物の死体。

飛び散っている血。



薮「嘘だろ、ガクガクッ」

横「ミツ、みんな無事なのか、クッ」



それから、2人して何処をどう歩いたんだろう。

内の部落へ行けば何か分かるかもしれない。

そう思い向かった先で―



横「あれは!」

薮「みっ、宮田だ!?おい、しっかりしろ」



その少し離れた所に。



横「塚ちゃん、クッ」



既にコト切れた2人が倒れていて。



薮「うっわあぁーっ、どうしてなんでだよ」

横「くっ」



宮田は塚ちゃんの方へ手を伸ばしたまま息絶えたのだろう。



横「よく頑張ったな、ゆっくりと休め、クッ」



その有り様は、今でもリアルに思い起こせるほど。

生々しく俺の脳裏にこびりついている。

だからこそ尚さら受け止めてやりたいんだ。

お前の心の中に、再び襲って来た悲痛な想いを。

もしかしたらその為に俺は

先に、全てを思い出したのかもしれないから。

悲しみに沈んだ心を支える役割として。

全ては導かれていたのかもしれない。

そうは思わないか太輔―

お前があの店を見つけたのも俺が取りに行ったのも。

これから先、起こる事への予告として。

あのときのお前とミツみたいに。

神の意志のまま…





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