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[現代版] 天使と悪魔

第22章 慟哭の記憶⑥

・藤ヶ谷side

藤「まだまだぁ、そんなんじゃダークの長は倒せないぞ」



ザバッ、ズブッ、ザンッ!

斬っても斬ってもキリがない魔物。

ビュン!



藤「つあっ」



こいつら、どっから降って沸いて来るんだよ。



藤「たぁーザクッ」



見るみる自分の身体が傷だらけになっていく。

それでも必死になって戦い



藤「おっ、お前で最後か…くっ‥ハァハァ…行くぞ」



タダッ、ズバッ!

そいつを頭から叩っ斬ったときには。

息も絶え絶えになってしまっていた。

それでも、約束を守ろうと



藤「ひ…ひろ‥くっ…ほらやっ‥つけたぜ…やりゃ‥俺だっ…て‥でき…るんだ‥ハァハァハァ」



俺はフラフラになりながら2人の後を追い。



藤「どこだ…ハァハァハァ‥どこにいる」



けど、それも全て奴の企みだったことに気づいていなかった。



「まだだ、目の前で殺してやる。そうすればあの気の強い天使もさすがにショックを受けるだろう」



いっ、いた…

そして、祐惺を連れ逃げて行く後ろ姿が視界に入ったとたん。



藤「…っあ‥ハァハァハァ…ひ‥ひろおぉーっ」



渾身の力を振り絞り叫ぶとその足はピタッと止まり。



北「太輔!」



あいつは振り向きざま物凄い勢いで駆け寄って来てよ

ダッ!

ばっ、バカ腹に子供がいるんだぞ。

俺も焦って走り出し。



藤「…くっ‥と…止まれ‥ひ…ろ‥俺の…方から行くって」



ヨタヨタしながら傍へ近づいて行き。

そしたら―



北「太輔、太輔、ギュッ」



祐惺もろとも腕の中へ飛び込んで来る。



藤「ちゃん‥と…約…束‥守っ」



だが、ちょっとこれは傷口に堪えた。



北「おっ、おまっ、すげぇ怪我してるじゃん」



えっ、今ごろ気づいたのか



北「大丈夫か、なっ?いま治してやっ…」



チュッ!



北「んんっ、つはっ、太輔キズ」

藤「その前…に‥こっちのほうが…俺にとっ‥ては…特効薬」

北「なっ、んんっ」



そのまま俺達は激しい口づけを交わす。



北「…たい‥んっ…」



危険が迫っていることなど気づきもせず。

たがいの無事を確認し合うかのように。





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