
[現代版] 天使と悪魔
第22章 慟哭の記憶⑥
・藤ヶ谷side
「今だ、やれ」
が、そのときだ!ヒューン
耳に、聞き覚えがある音が響いて来たのは。
ハッ、これは―
藤「ひろ、危ない!」
ズブッ!
咄嗟に2人を庇ったのと、鈍い音と共に。
半端ないほどの痛みが腹部に走ったのがほぼ同時で。
藤「うぐあっ」
でも、正直この時点で自分の身に何が起きたのか頭では理解できてなく。
北「太…輔?」
ただ、目の前にいるひろの顔がボヤケて行き。
ズブブブッ!
藤「ぐああっ」
北「太輔!」
藤「ひ…ろ」
安井「パパ!」
それが、貫通している魔物の触手だと分かったのは。
ズッボン!
藤「ぐはっ」
北「うっ、嘘だ太輔、太輔ってばぁ」
それが抜かれた瞬間だったんだ。
北「…あぁ‥ああ…ぁ‥」
ただ必死で手を伸ばしひろの頬に触れ。
藤「…ひ‥ろ…ひっ」
北「んやだ、やだっていっ今、治して」
藤「ダメっ…だ‥クッ」
とたん取り乱しながら発した、ひろの言葉を俺は押さえ込む。
それを使っちゃ…クッ!
北「でっ、でも」
藤「おまっ…分かってる‥のか…腹に子供‥いる…んだぞ‥ハァハァ」
北「けど、けど、このままじゃやだ、ぜって嫌だってばぁーっ」
狂ったように叫ぶひろ。
藤「いい…か‥よく…聞け‥ぐふっ」
俺は、その瞳から溢れ出る涙を手で拭いながら。
諭すように話しかけた。
藤「俺達の子…祐惺の弟でもある‥将来ダークの長になる…大事な‥子なんだ…その子‥失ってもいいのかひろ…うぐっ」
北「俺は…お前‥失いたくね…ヒクッ!‥ずっと傍にいる…って約‥約束したじゃん」
ごめん…な‥クッ!
北「太輔、太輔」
安井「うっ、わあぁーっ」
泣かないでくれ祐惺。
安井「パパ、ハパあぁ」
藤「おと…この子‥だろ…バパの‥代わり…にママン‥護ってやってくれ」
北「ダメだ許さねぇ」
藤「ひ…ろ‥この子…しっかり‥産…め‥頼んだぞ」
北「産むから産むから死なないで太輔!」
もっ…無理だ‥殆ど…お前の‥顔…見えないし
北「俺より先に逝くなんて絶対許さねんだかんなぁ」
けど、さよならなんて言わない。
・
「今だ、やれ」
が、そのときだ!ヒューン
耳に、聞き覚えがある音が響いて来たのは。
ハッ、これは―
藤「ひろ、危ない!」
ズブッ!
咄嗟に2人を庇ったのと、鈍い音と共に。
半端ないほどの痛みが腹部に走ったのがほぼ同時で。
藤「うぐあっ」
でも、正直この時点で自分の身に何が起きたのか頭では理解できてなく。
北「太…輔?」
ただ、目の前にいるひろの顔がボヤケて行き。
ズブブブッ!
藤「ぐああっ」
北「太輔!」
藤「ひ…ろ」
安井「パパ!」
それが、貫通している魔物の触手だと分かったのは。
ズッボン!
藤「ぐはっ」
北「うっ、嘘だ太輔、太輔ってばぁ」
それが抜かれた瞬間だったんだ。
北「…あぁ‥ああ…ぁ‥」
ただ必死で手を伸ばしひろの頬に触れ。
藤「…ひ‥ろ…ひっ」
北「んやだ、やだっていっ今、治して」
藤「ダメっ…だ‥クッ」
とたん取り乱しながら発した、ひろの言葉を俺は押さえ込む。
それを使っちゃ…クッ!
北「でっ、でも」
藤「おまっ…分かってる‥のか…腹に子供‥いる…んだぞ‥ハァハァ」
北「けど、けど、このままじゃやだ、ぜって嫌だってばぁーっ」
狂ったように叫ぶひろ。
藤「いい…か‥よく…聞け‥ぐふっ」
俺は、その瞳から溢れ出る涙を手で拭いながら。
諭すように話しかけた。
藤「俺達の子…祐惺の弟でもある‥将来ダークの長になる…大事な‥子なんだ…その子‥失ってもいいのかひろ…うぐっ」
北「俺は…お前‥失いたくね…ヒクッ!‥ずっと傍にいる…って約‥約束したじゃん」
ごめん…な‥クッ!
北「太輔、太輔」
安井「うっ、わあぁーっ」
泣かないでくれ祐惺。
安井「パパ、ハパあぁ」
藤「おと…この子‥だろ…バパの‥代わり…にママン‥護ってやってくれ」
北「ダメだ許さねぇ」
藤「ひ…ろ‥この子…しっかり‥産…め‥頼んだぞ」
北「産むから産むから死なないで太輔!」
もっ…無理だ‥殆ど…お前の‥顔…見えないし
北「俺より先に逝くなんて絶対許さねんだかんなぁ」
けど、さよならなんて言わない。
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