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[現代版] 天使と悪魔

第22章 慟哭の記憶⑥

・屋良side

そっかその直後に俺と亮太が駆けつけたってわけだ。



屋「じゃ内、聞かせて貰おうか」



しんみりとした空気の中、俺がそう言うと。

全員が一斉に身構える。



内「分かった、と言いたいとこなんやが」



だが内は突然そんなことを言ったかと思うと藤ヶ谷に目配せし。

んっ、どうした?

とたん一点を見つめたままこいつの表情が変わってよ



玉「ガヤ?」



その視線は眠っている北山の方へと向けられていて。

それから傍へ近寄ると。



藤「いつから起きていたんだ?」

一同「‥‥っ」



優しくそう話しかけたんだ

すると北山は、俺達に見せないよう。

藤ヶ谷の胸の中へギュッとしがみつき顔を埋め。

おまえ泣いていたのか。

誰の目にも、肩が小刻みに震えてるのが分かる。



北「ちょい前…クッ」

藤「なら聞いてたんだろ」



その問いにコクンと小さく頷く。



北「太…輔‥」

藤「んっ?」

北「やっぱ、あれは俺の」

藤「違う、お前のせいじゃない」

北「んでも、クッ」



マズい、かなり心が弱っているみたいだ。

こんな弱々しい姿そう見はしない。

が、そのとき。



横「ミツ、しっかりしろ!らしくないぞ」



横尾が、少し強めの口調で言い。



横「自分を責めたって事実は事実、なんにも変わりはしないんだ」

宮「横尾さん」

ニ「今のミツにそれを言うのはキツイって」

横「だが乗り越えなければ前には進めない、そうだろ皆そうやってここまで来た」

千「だけど」

玉「ミツだって分かってるそれくらい、ねっ?そうでしょ」



しかし北山は何も答えず、更に横尾は厳しい事を言い出す。



横「自分で話せ」

塚「無理だって」

五「この状態でそれは難しいんじゃない」

横「それでも自分の口から言うのが一番なんだ」



確かにな俺もそう思う。





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