無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

・北山side

その日の朝―



北「くっ…ぁ‥」

内「北山、陣痛が来たん」

北「うっ、内…ﾊｧﾊｧ」

内「大丈夫や心配するんやない玉森、湯を沸かしといてくれ」

玉「分かった、ハッシー」

橋「もう水は汲んである」

内「手際いいやん」

橋「えへっ」



そこには、内の他にもタマやハッシー忠くんもいて。



大倉「宏光」

北「…つあっ‥ﾊｧﾊｧ」

内「俺に掴まり」

北「ううっ…あっ‥」

内「遠慮する事ない早ようほら､ﾆｺｯ」

北「内、くぅーっ」

大倉「頑張れ頑張るんや」

内「俺らがついとる、皆もだから負けるんやない」



その言葉の意味を俺は充分すぎるほど分かっていた。

“死ぬな”

内や忠くんの見つめる瞳がそう言ってるのが痛いほど伝わって来たから。

でも…

心のどこかで、太輔の傍へ行きたいと願う自分がいるのも確かだったんだ。

しかし―



桐山「大変や内くん奴らが集団で襲って来よった」

内「なに！」



マジか…くっ‥こんな時にあり得ないわ…



内「亮太、亮太はいるか」



俺達は、最悪な事態に陥ってしまう。



山「内くん」

内「この家だけでも、シールドを張れるか」

山「命に代えても」

内「頼む」

山「はい！」



んだめだ、そんなことをしたら亮太が危ねぇ。



山「北山くん心配しないで下さい、この子は俺たちの希望の星。未来のダーク族の長を絶対に護ってみせますから」

北「りょ…亮太‥ｸｯ」



ダメだってば俺の為に命を投げ捨てるだなんて許さねんだかんな。

けれど―



北「…死ぬな‥江田…が‥悲しむ」



そう言うのがやっとでよ。



山「ﾆｺｯ いい子を産んで下さい」



亮太、亮太あぁー頼むから生きてくれ。

もっ、誰も死んで欲しくはねんだ！ｸｯ

バタン―

が、俺はあいつが出て行ったドアを見つめ。

襲ってくる陣痛にひたすら耐えるしかなく。





・