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[現代版] 天使と悪魔

第22章 慟哭の記憶⑥

・北山side

北「うあっ、くっ」

内「北山、大丈夫やでこの家の前には屋良や西の連中もおる」

大倉「みんな、お前と生まれて来る子を護るため頑張っとるんや」



なんだってあいつらも!?防波堤になってるって事か。

あげく―



玉「俺も行く」

北「タマ…よせ‥」

玉「ごめん俺、初めてミツの言葉に逆らう」



タマも行くと言い出し。



橋「俺も、皆を護るために戦う」



その上、ハッシーまでもが



北「なら…死ぬんじゃね」

玉「それはミツだろ」

北「‥‥っ」

玉「死んだら絶対に許さないから行くよハッシー」

橋「はい、兄さん」

玉「ニコッ」



バタン!



北「タマあぁーっ」

内「北山、ギュッ」

北「…みんな‥死んでく…みんな‥くっうああっ」

内「しっかりし北山」



限界だった。

心が張り裂けそうで、心臓が締めつけられるみたいに苦しくて。



北「つあっ…あぁー」



俺の知らない所で命を落とした塚ちゃんと宮田。

行方不明のままでいるトッツーと郁人。



大倉「宏光もう少しや」



横尾さん薮も、どうなったのか分からず。

ニカと千賀も、ようとして行方が知れない。



北「くぅーっ…ハァハァ」



みんな隠してたみたいだが俺は知ってるんだぜ、クッ!



内「頭が出る!」



これでも一応、神の子だからよ。



北「たっ、太輔えぇーっ」



“おぎゃあ、おぎゃあ”



内「うっ、生まれた悪魔の子や北山、見てみダークの長の跡継ぎやで」

大倉「宏光、ほら!ハッ」



でも、もう俺にはその姿をはっきりと見ることもできなくて。



北「…ヒィ‥ヒィ…ヒィーッ」

内「しっかりするんやおい」

大倉「嘘やろ」

北「た…い‥す…け」



ただ苦しい息の中で、その名を呼び続け。



内「お前たちの子やママンの乳を欲しがって泣いとるやんか」

大倉「宏光!」



会いてぇ…





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