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[現代版] 天使と悪魔

第23章 妖魔の企て

・横尾side

目の前で―

妖魔の声に脅かされているミツを見たとき、俺はある解決策を思いつく。

それは―



横「太輔おまえ今度ミツが目を覚ましたら拒否ろうが喚こうが無理矢理にでも、こいつを襲ってしまえ」

藤「えっ、マジで言ってるの!?わた」

内「何ゆうてんねん横尾」

屋「どういうことだ?説明して貰おうか」

山「そんなやりかた、無茶苦茶だって」



だがそうするのが一番なんだ。



横「今から順序隔てて簡潔に話す」



まず…



横「第一に、妖魔は2人が結ばれないよう邪魔したいわけだ、その理由は」

屋「そうなったとき、北山の力がいま以上に強くなるのを恐れてるからだろ」

横「つまり逆に言うと2人が結ばれてしまう事によりミツを恐怖に陥れる必要がなくなるって事になる」

内「そやけどかえって不安が倍増してまうかもしれへんやん」



いやそれはないと思う。



横「こいつはとうに気持ちが吹っ切れているはず自分の口から最期を語った時点で」

屋「ってことは」

山「その方が想いが重なり妖魔に対抗する強さが芽生えるって事」



そう。



横「第二にミツ自身が心の奥底では太輔と結ばれたいと願っている」

藤「わた」

横「だから苦しんでるんだろ、それを叶えてやり楽にしてやらないでどうする」

屋「なるほど」

内「俺は反対や」

藤「内…」

内「よぉー考えてみ、それでも結局は不安はつきまとう事になるやろ今よりもっと辛くなってまう可能性の方が大きい」



それでも―



横「独りより2人」

屋「こいつらの絆を信じ、賭けてみる価値はあると」

横「どっちにしても不安が付きまとうなら何もしないでいるよりは」

山「前世でそうだったみたいに」

横「負けたりなんかしやしない、きっと乗り越えられるはずさ」

屋「そんな柔な奴とは違うと言いたいのか」



内お前がミツを想う気持ちは痛いほど分かっている。

しかし―



横「まだ納得がいかないって顔をしてるな」

内「俺はただ北山に幸せになって貰いたいだけや」

横「護りたいという気持ちは、ときに過保護になってしまう事もある」

内「俺がそうや言いたいんか」





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