無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

・横尾side

横「キツイ事を言って悪いが頼む乗り越えさせてやってはくれないか、でないと本来のミツに戻らない気がする」

内「本当のあいつに」



どう見ても。



横「今のミツは違うだろ」

屋「確かにな」

山「こんな北山くん初めて見るし」

横「これじゃ状況から抜け出すことは難しい」

屋「下手すりゃ全員共倒れだ」

山「ダメだよそしたら俺達の世界はどうなるの」



その通り。



横「お前が、前世で惚れたミツはこんなに弱々しい奴じゃなかったはずだ」



すると内は―



内「そやな、俺がよかれと思おてやって来たことが、気がつけば北山を弱くしてしまっていたのかもしれへん」



いや、俺達は感謝している２人を支えてくれたこと。



内「それと、心のどこかであったんや」

山「なにが？」

内「手放さず、ずっと傍に置いておきたいという思いがな、ﾌｯ」



内…



内「強くなってもうたら、もう俺のことは頼らなくなってまう。そしたら役目は終わりやし」



寂しい思いに囚われたと。



藤「なに言ってるんだ内、役目もなにもお前がひろのダチであることに変わりはないだろ」

内「藤ヶ谷」

藤「俺にとっても、大切な友だち終わりだなんて言うな、ひろが聞いたら怒るぞ」



太輔の言う通りだ。



屋「よし、じゃあーこれで内も二言ないって事でいいか？」

内「しゃあないやろ」



それから―



横「太輔いいな心して掛かれ」

屋「必ず、奴はまた邪魔をして来るに決まっている」

山「それでも、押しの一手そうでしょ屋良にぃ」

屋「あぁ」

内「こうなったら、北山の頭の中に聞こえて来る妖魔の声が聞こえなくなるほど思いっきり愛してやり」

藤「内、ﾌｯ」

横「やつの意識を追い出すんだ」

屋「聞こえなくなったら、こっちの勝ちってことだからな」

山「これも戦いだね」

横「そうだ」



俺達の希望の光りでもある天使の長を取り返す為の。

本来のミツへ戻す事により

そうすれば、また前へ一歩前進できるはず。

明日へと向かって―

これが俺達と妖魔との第一戦だと、この時はそう思っていた。

まさか…

これからという時に、あんな事態が起きるとは思ってもみなかったから。

郁人の命の危機という。





・