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[現代版] 天使と悪魔

第24章 闇からの脱出

・藤ヶ谷side

俺と亮太は。

桐山と屋良さんの2人とは別の方角へと向かっていた



山「たぶんこの奥だと思うんだけど」



が、魔の気に敏感なハーフの勘だけを頼りに進んでいるわけだから。

下手すれば、迷ってしまう危険性がある。



藤「この先に、一体なにがあるっていうんだ」



その為あらかじめ入り口のところで屋良さんに透視して貰ったんだが。



山「分からない、ただ凄く嫌な感じがするのは確かだよ」



つまりは―



山「藤ヶ谷くん絶対に俺から離れちゃダメだからね」

藤「敵がいるってことか」

山「近づくにつれ闇の気配がどんどん強くなってるんだ」

藤「‥‥っ」



それを聞き否応なしに緊張感が高まってく。



藤「それが何なのかまでは分からないんだよな?」

山「そこまでは」

藤「妖魔が、こっちにいるって事じゃ?」

山「それとも違う気がするもっと別のもん」



どういうこと?



山「憎悪とか、恨みに似た感じの塊のような」



なんだよそれ?



山「もうすぐ開けた場所に出るはず、きっとそこに」



郁人がいるんだな。

すると、亮太が言った通り目の前が開け。



河「うえっ、マジで真っ黒じゃん」



黒い沼みたいな所で佇んでいるその姿が見え。



河「うわっ、ここに入るのか深そ」



あいつ何やってるんだあんな所で?

が、そのとき。



山「藤ヶ谷くんヤバいあの中へ入ったら河合くん死んでしまう」

藤「なに!」



とつぜん亮太がそんなことを言い出し。



河「目つぶって入りゃいいんだうん、とっ、取り合えずそれでなんとか」



だが俺たちがそこまで行くにはかなり下の方へ降りて行かなければならず。

俺は慌てて叫ぶ。



藤「郁人、郁人おぉーやめろ!その池の中へ入るんじゃねぇ」



ダメだ、聞こえてないし。

恐る恐る何度も足を入れようとしている姿を見て益々焦りを覚えた俺は。



藤「降りるぞ亮太」

山「はい!」



頼む、間に合ってくれ。

急いで下へと向かったんだが。



河「トッツーのためだ別に泳ぐわけじゃねんだし浸かればいいだけの事なんだからよ」



郁人は意を決したかのように眼をつぶり。

今にも飛び込みそうな勢いで。





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