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[現代版] 天使と悪魔

第3章 慟哭の記憶①

・宮田side

俺は、止めるタマに言ったんだ。

すぐ戻って来るって―



玉「ダメだ、いま行ったら危ない」



大丈夫、戦いに行くつもりはないから。

ただ見届け役として塚ちゃんの傍にいてあげたいだけなんだと。



玉「俊、本気で言ってるの」

宮「心配はいらない、俺に戦う力があるわけない自分が一番よく分かってるし」

玉「でも」

宮「ならタマは本当にこのままでいいと、そう思ってるわけ?」

玉「それは」

宮「戦力にはならないけど密偵や探り役はお手のもんタマだって知ってるじゃん俺は狙われにくいって」

玉「うん」

宮「陰から見てるだけなら襲われたりはしない」

玉「そうかな」

宮「そうだよ、それに」



塚ちゃんが、あいつをやっつけたとき。

怪我をしているだろう彼を誰が手当し、みんなの所へ連れて来るのか?

俺しか適役はいないだろ。

そう言ったら、渋々と了解してくれ。



玉「約束して、必ず戻って来るって」

宮「うん俺はタマを裏切ったりはしないよ」

玉「本当だな?」



内くんには内緒で塚ちゃんが向かった先へと急いだんだ。



玉「嘘つき…クッ」

橋「裕太?」

玉「帰って来なかったら、許さないんだから」

橋「えっ?まさか行っちゃったの」

玉「行くよハッシー」

橋「でも」

玉「いいんだあいつの好きにやらせてやる」



タマがそんな俺の後ろ姿を見ながら呟いていただなんて知らず。

ドッカァーン!
   バラバラバラ―

塚ちゃん、どこ?タタタッ



塚「たあぁーっ、グサッ、ザバッ」



いた!

すると太い幹みたいなものを次から次へと叩っ斬っている姿が目の中へ飛び込んで来る。



宮「塚ちゃん!」

塚「ハッ、宮田?バカどうして来たんだよ」

宮「俺も一緒に戦う」

塚「なに言って戻れ」

宮「危ない」



ザバッ!

とたん襲って来たそいつを内くんから貰った刀で叩っ斬る。

やった結構できるじゃん。



塚「こらボサっとしてるんじゃないよ次が来る」



うおっち、失敗失敗。

でも、ピタッと互いの背中を合わせたとき。



塚「ありがと宮田」

宮「えっ」



塚ちゃんはそう言って嬉しそうな笑みを浮かべ。





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