テキストサイズ

[現代版] 天使と悪魔

第26章 慟哭の記憶⑦

・河合side

俺の腕の中で息絶えたトッツー。

けれど…



中島「ママン、起きてママーン」



悲しみに浸っている余韻などなかった。



河「逃げるんだ郁祥」



再び感じる魔物の気配それも半端ない数の。

今なら分かる。

こいつら統率者を亡くし、狂気と化してしまったんだってことが。

その標的が―



中島「うっわあぁーっ」

河「郁祥!」



ふざけんな!

こいつは、俺とトッツーの大事な子。

てめぇらなんかに!クッ



「こっちです早く」



誰だ?



「いいから、その林の奥の洞窟へその子を」



郁祥か?



「そうです死なせてはなりません」



当たり前だろ。



「ですから早く」



声の主は女、だったら敵ではない。

そう判断した俺は…



河「よく聞け郁祥その先へ行った所に洞窟がある」

中島「洞…窟?」

河「洞穴だ、中へ逃げ込め後ろを振り返らずいいな」



そう言い。



河「お前らの相手は、俺がする」

中島「パパあぁーっ」



ダダッ、ザンッ、ザクッ!



河「早く行け郁祥!」



そして生きてくれ俺やトッツーのぶんまで。

風磨や勝利と力を合わせ、ズブブッ!



河「くっあぁーくっそぉ」



幸せに、ザバッ、ザンッ!



河「とりゃあぁーっ」



なって…くれ‥ズボッ!





ストーリーメニュー

TOPTOPへ