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[現代版] 天使と悪魔

第27章 幻獣の少女①

・戸塚side

目を覚ましたら、目の前に五関がいた。



五「名前は、沙耶という」



驚いたよ、あのとき河合がぶつかったあの人が五関の彼女だったなんて。

あげく―



戸「その人が俺の!?」

五「あぁ、ほぼ間違いないだろう」

戸「そっか、だからあの時」

河「トッツー」

五「これから、会いに行ってみないか?」

戸「えっ」

河「そうしよ、なっ」

戸「河合」

河「何か解決策が見つかるかもしれないし」

戸「うん」



幻獣の少女、俺の前世での母親。

許されざる天使との恋のすえ自分を産み落とした。



戸「外は全く変わらないんだね」

五「実際にあった物すべてが同じように存在している」

河「その中に転生した連中だけがいるってことか」

五「まぁーな」



演舞場から有楽町まで。

歩いて行くのは大した距離ではない。



河「だが静か過ぎて不気味だぜ」



確かに、フッ!

その外れの細い路地を入った奥に、その店はあった。

カランコロン―



沙耶「晃一、もう来ないでと言ったはず!ハッ」

戸「こんにちわ」

沙耶「戸塚祥太くん」

五「沙耶」

沙耶「どうして!?」



ダッ―



河「お願いします逃げないで下さい」

沙耶「‥‥っ」



とたん店の奥へ行こうとした彼女を呼び止める河合



河「貴女の力が必要なんです」

沙耶「私…の?」

河「はい幻獣の少女の生まれ変わりである沙耶さんの」

沙耶「なっ」

五「もう分かっているんだ沙耶、君が何者なのか」

戸「話して貰えませんか?全てを」

沙耶「しょ…太‥」

戸「その記憶を取り戻してから俺のことずっと見守ってくれていましたよね」

沙耶「あ…あぁ‥」



と、みるみる彼女の瞳から大粒の涙が溢れ出し。



五「もう独りで苦しまないでくれ沙耶」

沙耶「晃一、ヒクッ」

五「俺たちと一緒にいよ」



ギュッ!

その身体を優しく包み込むように抱き締める五関。





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