無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

・屋良side

北「それって今だから言われている伝説なんじゃないの」



たぶん―

彼女にとっては初恋、好きな男に誘われるがまま身体を重ね合わせ。



山「愛していたんですね」



亮太の言葉にコクンと小さく頷く。



塚「俺達と同じだな」



愛を知らなかった少女に、愛を教えたのも天使だったんだ。

そして、芽生えた命―



沙耶「母になる喜びをひしひしと感じどんなにか嬉しかったことか」

河「それをあの野郎が」

戸「河合」



が、暫くし。

とつぜん豹変してしまった天使に少女は戸惑い。



沙耶「多分もう、そのときには」



妖魔に憑依されていた。

あとになって思うと、そう彼女は悲しげに俺達に言う

それでも―



沙耶「苦しみの中で生まれた貴方は本当に可愛く初めてあげた母乳、それを一生懸命に吸っている小さな口が」

戸「マ…マン」

沙耶「そう呼んでくれるの私は貴方を辛い目に遭わせてしまったのに、ｸｯ」

戸「抱きしめられたかった１度でいいから」

沙耶「それくらい今の私でいいのなら来て祥太」

戸「‥‥っ」



ダッ―



戸「ママン」



ギュッ！



沙耶「祥太、わたしの愛しい子」

戸「会いたかった凄く会いたくて､ﾋｸｯ」

沙耶「ごめんなさい寂しい思いをさせてしまい、うぅ」

戸「ママン、うっあ」

沙耶「祥太あぁーっ」



今の世で生まれ変わり。

やっと親子の名乗りをあげることが出来たトッツーと彼女の姿に誰もが涙ぐむ。



北「良かったなトッツー」

河「うん、うん､ﾋｯｸ」

橋「うわっ、郁人すげぇ顔してる」

千「号泣？」

河「うっ、わあぁーっ」

塚「あちゃあー」

ニ「あらら、ｸｽｯ」

横「嬉しいんだよな」

藤「ふっ」



束の間の安らぎ―

俺達は抱き合う親子の姿に自分たちの前世を思い浮かべ。

しばし見つめていたんだ。

五関の、彼女への包み込むような優しい眼差しを感じつつ。





・