テキストサイズ

[現代版] 天使と悪魔

第27章 幻獣の少女①

・五関side

見つめ合い微笑みを交わすトッツーと沙耶。

俺が彼女と出会ってから。

今までの中で今日のあいつが一番綺麗だ。

そう思う―



屋「そろそろ続きいいか」

沙耶「あっ、はい」



トッツーが生まれてから。



沙耶「暫くは、何事もなく日々が過ぎて行き」



幻獣たちは、毎日のように顔を見に来ていたらしい。



山「それって?」



後継者として認めたという事か?そう聞くと。



沙耶「いいえ」



それはまずないはず、沙耶は首を横に振る。



内「じゃなんでや?」



化身は、交わりによっては誕生しない。



ニ「ならどうやって」



沙耶が住んでいた滝の裏側にある洞窟の一番奥深い所



沙耶「そこには、湧き水のような泉があり」



前任者の化身の命が消えるとそこから誕生すると言われていた。



塚「神秘的だなぁ」




そうその通りさ塚ちゃん。

神の意思により生まれる、光りの子と同じく。



橋「天の使い?」



かもしれないな、幻獣自体が神秘的な存在と言われていたんだから



藤「だったら何故?」

沙耶「祥太は不思議な子でした、その温かな気は幻獣たちを癒し」

千「だから会いに来ていた」



安らぎを求め―



河「分かる気がする」

藤「郁人」

橋「うん」

北「んだな、フッ」



が、物心がつき始める前に



沙耶「あの人が、来たんです」

千「あの人?」

沙耶「彼は祥太が生まれたあと姿を消していて」

山「それが突然なんで?」

沙耶「自分の部落へ祥太を連れて行くと」

戸「‥‥っ」



そっか、その時に引き離され。



沙耶「お願い、私からこの子を奪わないで」

天「こんな森の深くでは、まともに育てられまい」

沙耶「そんなことはありません」

天「周りには、得体の知れない生き物しかいないではないか」

沙耶「幻獣たちは、祥太を可愛がってくれています」

天「だが獣、祥太は俺の子でもあるこんな環境に置いておけるわけないだろう」



グイッ!



戸「わあーん、わあーん」

沙耶「祥太、祥太!」



どんなにか辛かったことだろう。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ