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[現代版] 天使と悪魔

第1章 プロローグ

・藤ヶ谷side

それは、10日くらい前のこと。

俺と健永がショッピングを楽しんでいたとき。



千「もうすぐ9月か、宮田と宏光の誕生日月だねガヤさん何かあげるの?」

藤「そりゃ、まぁ一応は」

千「俺とニカも一緒に選んで渡すつもり」



賑やかな通りの脇に、よくある細い路地。

その近くまで来たら。



藤「ビクッ」

千「でよ宮っちが」



なんだ今の感覚は?



千「ったくどこかズレてるんだよな、あいつ」



それは、まるで。

何かの危険を知らせるかの如く俺の脳へと突き刺さり



千「ガヤさん?」



気がついた時には、自然と身体が動いていて。



千「ちょ、どこへ行くんだってば」



引き寄せられるかのように路地から路地へ突き進んで行くと。



千「なぁーっ」

藤「しっ、黙っていろ」

千「‥‥っ」

藤「聞こえる」

千「なにが?」

藤「北山の声」

千「まさか、ハハッ」



ダダッ!



千「あっ、待ってガヤさん」



気のせいなんかじゃない、確かに聞こえたんだ。

あいつが助けを求めている声が。

―と、目の前に見えて来たのは既に閉鎖してしまった工場みたいな建物。

そこから…



北「いい加減にしろ、こんな所へ連れ込みやがって、どういうつもりだ」



嘘マジで本当に北山がいるじゃん。



千「いっ、今の声は!」

藤「行くぞ健永」



急いで中へ入ると。



北「やめろって言ってるだろ放せ!」



見たこともない男が2人
、あいつの事を押さえつけていやがってさ。



藤「お前らそこで何をやっているんだ!」

北「藤ヶ谷!?」

千「宏光を放せ、じゃないと警察を呼ぶぞ」

北「千賀も」

藤「110番だ健永」

千「おう」



とたん奴らは慌てたように逃げて行き。



藤「大丈夫か?怪我は」

北「ない、ありがとう2人とも」

千「あいつら何者?」

北「それが俺にもよく分からないんだわイキなり両脇から腕を掴まれたかと思ったら」

藤「ここへ連れ込まれちまったってわけ?」

北「あぁったく参ったぜ」

千「いや、しかし偶然とはいえビックリしたなもう」

北「んだが本当に助かったわ」



それから、念のため家まで送り届けた俺は。

なんだか、不思議な感覚に囚われてしまう。





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