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[現代版] 天使と悪魔

第28章 幻獣の少女②

・五関side

しかし―

いってみれば、それも憑依と言えるのかもしれない。

奴は、全く実体がないわけではない気がして来たから

河合と藤ヶ谷、亮太があの空間で襲われた得体の知れないもの。

あれに包まれたら魔になる

そう亮太や屋良さんはあのあと俺らに言っていた。

つまりは…

郁人をそこへ入れようとした妖魔の言動からしても、間違いなく。



沙耶「晃一」

五「んっ?」



沙耶、おまえが前世で愛した天使は。



沙耶「何を考えているの」

五「ふっ」



チュッ!

きっと魔の領域で踏み入れてはならない場所へ行ってしまったんだろう。



沙耶「こっ、晃一」

五「だめ?沙耶、フッ」



そして―



沙耶「でもこんな状況で」



ドサッ!



五「こんな中に、いるからこそ」

沙耶「あっ」



そこで侵食されてしまった



五「愛している」

沙耶「晃一」



全ての始まりはきっとそのときから。

闇は、いつの頃から繁殖し広がって行ったのか。

周りは全く気づかず。

考えるに、その天使の身体から次の生き物へ。

侵食を繰り返し―

年月を経て成長した化身の子トッツーへと辿り着いた

その間…

誰かしらの身体の中に存在していた闇は俺達が、魔王と戦った過程も含め。

全てを見ていたんだろう。

それが奴の正体、己の半身を自由に動かし。

憑依した者を操り。

1人から2人へと数を増やしていき。

侵食された者を自分の手駒にしていた。

機会を狙いつつ。



沙耶「晃一、あっ、晃一」

五「沙耶」



これで、全てが解明したと言える。

俺が、その答えに到達したとき。

屋良さんや内、北山…

藤ヶ谷たちも、同じように気づいたことを知ったのは

もう1度みんなで集まったときだった。

だが、その前に。

俺達は不思議な現象に包まれる事となる。

同時刻―

愛し合う、それぞれのカップルが光りとなり。

そこで確かに神の声が聞こえた気がしたんだ。

沸き上がる力を感じながら





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