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[現代版] 天使と悪魔

第5章 記憶の連鎖②

・横尾side

横「で?どうして怒らせてしまったわけ」

宮「タマね、何を聞いても上の空なのだから何気に」



はあっ?

空って飛んだら気持ちいいんだろなだと。



宮「タマだったら、何処へ行きたいって」



それでも黙っているから。



宮「みんなで飛んだら最高じゃん」

横「それで」



バッカじゃないと言われたわけ、まっ当前だ。

なのに凝りもせず。



宮「そうかな楽しいよタマだってそうは思わない」



お前なにやってるんだよ



宮「俺はタマとなら何処へでも行く、どんな場所へでもついて行く」



思い出して欲しくなかったんじゃないの?



宮「でも自分は独りでいたいんだってそう言って」



なのに、逆に刺激してどうする。



宮「俺は、そんなことできないって言ったら放っといてって」

横「嫌だって言ったら怒鳴られてしまったってわけ」



アホとしか言いようがない



横「お前な」

宮「分かってる自分だって何やってるんだろって思うもん」

横「宮田」

宮「でも気になって仕方がなかったんだ」

横「何が」

宮「なんだか様子が変だったから」

ニ「カマを掛け探ってみようと思ったんだろ」

横「ニカ」

ニ「あいつ、本心とか言わないで隠すところあるじゃん、だから」

横「そうなの?」



コクンと頷く宮田、ったく不器用なやつ。

こいつは、とっくのとうに気づいていたんだろ。

裕太の様子がおかしい事に

だから気が気じゃなく無謀と分かっていながらも。

こりゃ本当に注意して見ておいた方がよさそうだな。

ふと裕太の方を見ると何だか遠い眼をしていて。

しかしまさかそこまで思い出しているとは、思ってもみなかったんだ。

正確に言うと。

この後から徐々に夢の中で見続けていたんだよな。

そして独りで苦しんでいた認めたくなくて。

宮田の死のあと裕太が見た光景、それは…



玉「ハッシー、ハッシー」



続けざまに、目の前で命を落としてく。

自分の弟や仲間たちの姿だったという。

その中に―



玉「いっ、嫌だ嘘だと言ってミツうぅーっ」



裕太が、その事を涙ながらに語ったのはもう少し後のこと。

郁人や五関、塚ちゃんたちからトッツーの異変を聞いたと同時に。

健永にも、その兆候が表れ始めた時だった。





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