テキストサイズ

[現代版] 天使と悪魔

第5章 記憶の連鎖②

・河合side

トッツーの様子がおかしい



戸「河合」

河「んっ?」

戸「お願いがあるんだけど聞いてくれる」

河「なに」

戸「うちに、泊まってくれない」

河「へっ?」



俺の腕をギュッと掴んで、縋るような眼をし見つめ。



河「いいけど」

戸「1日じゃないよ」

河「はっ?」

戸「その…暫く‥何日か」

河「ええっ!?」

戸「お願い頼むよ」

河「トッツー」



一体どうしたっていうんだ



河「あの変な夢に何か関係してるの」

戸「分からない、でも」



毎晩、怖い夢を見るんだとそう言ってよ。

どんな?

俺が聞くとポツリポツリ、話し始めてく。



戸「最初は」



見たこともない景色、だが知っている気がする小さな村、そこで。



河「はあっ?天使みたいな奴らだって」

戸「うん、どう見ても」



なんだその夢?

と言っても全部が男、その中に。

ひと際目立った可愛らしい顔立ちの天使がいたらしい

それが…



河「夢で聞こえて来た声の持ち主」

戸「たぶん似てたし」



平和そうに見えた光景。

が、とつぜん悪夢へと変化し得体の知れない生き物か襲って来た。

逃げまどう天使たち、そして捕まったのはその…

場面、切り替わって。

洞窟みたいな場所で化け物のような奴に汚されている姿があったと。

“助けて誰か嫌だ産みたくない”

化け物は、身体中に沢山の触手を持ち。

一番太いソレはまるでデカい男性の生殖器みたいで。

それが天使の身体の奥へと挿し込まれ。



戸「なにかを注入するかのようにドクドクっと脈打っててさ」



悲鳴を上げ続けている天使に容赦ない陵辱を繰り返す化け物。



河「それで」

戸「生まれたんだ」



トッツーの顔が苦痛に歪む



河「そんなバカな」

戸「そうだよ俺は人間さ、だってそうだろ河合」

河「当たり前じゃん」

戸「じゃなんであんな夢を見るんだよ」



出産を終えた天使は息絶え後に残された子供は村へと戻される。

しかし、何故だか村の連中は違和感なく受け入れ子供は成長していき。

だがその子が物心つき始めた頃。

突如忘れていた記憶を取り戻したかの如く汚れた子となじり出す村人たち。

とたん孤独になる幼子―

その子の顔が、どう見ても自分だとトッツーは言う。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ