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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

・河合side

河「えっとーハンカチは持ったし、ちり紙は」



今日から、俺らは中学生になる。



母「郁人まだなの?」



俺らとは宏光と俺のこと。

まぁ、いわゆる幼馴染みってやつ。



河「でーきたっと、母さんお待たせ」



いつか、きっとそういつか



母「なんですか?その荷物は」

河「あぁーこれ宏光にあげるプレゼント」

母「なんの?」

河「入学祝い、フフッ」

母「貴方もするんですよ」

河「それから宏光に」

母「‥‥‥」



あいつの喜ぶことなら何でもしてやりたい。

そして、ときが来たら。



母「いますぐ置いて来なさい」

河「えぇーっ」

母「当たり前でしょ入学式にそんな物もって行ったらいい笑いものです」

河「ちぇっ」

母「郁人!」

河「はいはい、分かりました」



告白するんだ、この想い。



北「よっ」

河「おはよ宏光」

北「おう ニコッ」

母「おはようございます、いい天気でホント良かったですね」

藤「えぇ、フッ」

河「チラッ」



ただ少しだけ。



藤「宏光、行くぞ」

北「待ってってば」



気になることがあった。

あの眼やっぱり同類のような気がする。

でも…

若いとはいえ実の父親だし手を出すようには思えないんだが。

だいいち女としたから宏光が生まれたんだろ。

ちょっと待て!

両刀使いって事も考えられるじゃん。



「新入生は教室の方へ保護者の方は」



うわぁーマジかよ、父親がライバル!?

冗談じゃねぇ…



北「郁人?」

河「考えたくもねぇや」



気のせいさ。



北「おい郁人ってば!」

河「んなに」

北「教室ついたぜ」

河「あぁーははっ」

北「大丈夫?おまえ」

河「おっ、おう、アハッ」



やっべこいつに変に思われちまう。

が、それからも…

俺の頭の中は留まることなく妄想が渦を巻き。

嫉妬に、胸を焦がす毎日を送る事となる。

恋の病の中で―





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