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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

北「いて」

河「どうした」

北「指、切っちまったみたいだ」

河「ちょ見せてみ?」

北「大丈夫だって大した事ねっからよ、フッ」

河「ダメだバイ菌でも入ったらどうする」

北「大袈裟だなぁ郁人は」

河「チューッ」

北「‥‥っ」



なっ、あいつ!



河「唾液消毒なぁーんちゃって ニヤッ」

北「ばっ、バカ!?んなんで消毒になるわけ」

河「ニコッ」



くっ…

中学に入学した最初の1年間、郁人は頻繁に家へ遊びに来て。

やたらと宏光にくっつきたがり。



藤「なにかいい方法はないか?あいつを引き離す」



俺は仕事中も、気がきじゃなかったっけ。



横「落ち着け太輔まだ中学生だろ」



好奇心旺盛な年頃さ。

何かの拍子に堕ちてしまう事だって考えられる。

ならば先手必勝、それしかない。

本当は高校まで待つつもりだったんだが。

悠長な事は言ってられないと判断した俺は。

以前から、考えていた計画を実行に移すことにする。



北「温泉?やったぁ」



無邪気に喜ぶ宏光を横目で見ながら。

受け入れてくれると信じ。





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