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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

・河合side

「北山、北山宏光なん
だあいつまた遅刻か」



秋を過ぎた頃から宏光は、頻繁に遅刻するようになり

くわえて―



河「あっれ、お前その首筋なに?」

北「なんでもねぇよ虫にでも食われたんだろ」

河「もう冬だぜ、ちょっと見せてみ」

北「いっ、いいってば!」

河「宏っ」



まさか、それってキッ…

ほんのちょっとした仕草にも色気を感じるようになったのは俺の気のせいか?



「もうすぐ三者面談だが、進路を決めておくように」



来年、俺たちは受験のときを迎える。



河「宏光はどこを受けるんだ?」

北「ん…あぁ‥」

河「考えごと?」

北「別に」



一体なにを悩んでいる。



河「しっかしお前はいいよな俺と違って頭がいいし」

北「‥‥‥」

河「チラッ」



人には言えないことだよな

明らかに宏光は誰かと一線を越えているみたいだった

認めたくはなかったけど。

そんなある日のこと―



河「俺さお前と同じ高校を受けたいんだ、だから今度の日曜」



ガラッ!



「北山、北山はいるか」



んっ?



先「お父さんが交通事故に遇い入院したそうだ」

北「ガタッ」



なに!?



先「〇〇病院へ行け早く」

北「ダッ」

河「おっ、俺も」



ダダッ―



「お前まで行く必要はないだろ、おい河合」



ダダダッ!



河「タクシー捕まえよう」

北「おまっ」

河「へいっ、停まってくれ頼む」



キキィーッ!



北「あんがと」

河「礼には及ばない」



バタン!

お前の為なら俺はどんな事だってするんだからよ。





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