(旧)短編☆中編小説集
第15章 秘め事~Himegoto
ブロロロ―
たとえ叶わぬ恋だったとしても。
タッタッタ!
看「廊下は走らないで下さい」
河「すみません」
タッタッタ、バタン―
北「太輔!」
河「‥‥っ」
太…輔!?
北「太輔、太輔えぇギュッ目を開けろ俺を独りにしないで」
だが俺はこのとき初めて。
宏光が自分の父親のことを名前で呼んでいた事を知ったんだ。
北「太輔ってば!」
目にいっぱい涙を溜め身体を揺さぶり、その名を呼び続ける宏光。
その姿に胸が苦しくなる。
好きなのか?おまえ自分の父親が。
北「死なね…で、クッ」
藤「誰が死ぬって?」
北「ハッ、太輔」
とたん!
頭の上からした声に見上げた瞳が見るみる明るくなっていき。
北「んだって、だってよ」
“ここにいない方がいい”そう判断した俺は。
ガチャ!
黙って病室を出ようとドアを開け振り返った…
瞬間、あいつと眼が合ってしまう。
そして―
腕の中に、しっかりと宏光を抱え俺を見つめる眼にはありありと。
“お前には渡さない、こいつは俺のものだ”
バタン!
河「くっ…諦めねぇ‥俺は…絶対諦めないからなぁ」
だれに対してでもなく天井に向かい叫んでいた。
心に誓いを立てるかの如く
・
たとえ叶わぬ恋だったとしても。
タッタッタ!
看「廊下は走らないで下さい」
河「すみません」
タッタッタ、バタン―
北「太輔!」
河「‥‥っ」
太…輔!?
北「太輔、太輔えぇギュッ目を開けろ俺を独りにしないで」
だが俺はこのとき初めて。
宏光が自分の父親のことを名前で呼んでいた事を知ったんだ。
北「太輔ってば!」
目にいっぱい涙を溜め身体を揺さぶり、その名を呼び続ける宏光。
その姿に胸が苦しくなる。
好きなのか?おまえ自分の父親が。
北「死なね…で、クッ」
藤「誰が死ぬって?」
北「ハッ、太輔」
とたん!
頭の上からした声に見上げた瞳が見るみる明るくなっていき。
北「んだって、だってよ」
“ここにいない方がいい”そう判断した俺は。
ガチャ!
黙って病室を出ようとドアを開け振り返った…
瞬間、あいつと眼が合ってしまう。
そして―
腕の中に、しっかりと宏光を抱え俺を見つめる眼にはありありと。
“お前には渡さない、こいつは俺のものだ”
バタン!
河「くっ…諦めねぇ‥俺は…絶対諦めないからなぁ」
だれに対してでもなく天井に向かい叫んでいた。
心に誓いを立てるかの如く
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