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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

・藤ヶ谷side

北「太輔っ、太輔えぇ」



貪りつくように、俺へ抱きついて来る宏光。



北「頼む、なぁ」



そんなに寂しかったのか?自分から求めて来るほどに



北「俺をいつもみたいに」



だが今は―



横「いいかよく聞け、お前の気持ちはどうであれミツにしていることが向こうにバレでもしたら」



性的なぎゃくたいになる。



横「分かってるだろうけどこの件のカタがつくまで、あいつに手出しはするな」



“いいな太輔”



北「太輔ってば」

藤「悪いが、そんなに時間はないんだ」

北「‥‥っ」

藤「こっそりと病院を抜け出して来たから」

北「くっ」



とたん宏光の顔に陰が掛かり。



北「なら…い‥」

藤「この埋め合わせは今度そうだまた温泉にでも行って」

北「‥‥クッ」



ベタな言い訳しかできない自分に腹が立つ。

そして―



藤「いい子にしているんだぞ ニコッ」

北「‥‥‥」



バタン!

大して、言葉を交わさないまま家を出てしまってさ。



藤「これじゃ、なんの為に戻ったんだか分かりゃしない」



ブロロロ―

が、その数日後だった



「困りますお帰り下さい、他の患者さんの迷惑になりますから」



ドタドタドタ!



「藤ヶ谷太輔、藤ヶ谷あぁ出て来い」



んっ?あの声は…





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