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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

おまえ本当はあの時みたいに。

俺が見つけ出してくれるのを待ってるんじゃないのか

だから、きっとそこにいる

町外れの桜の木の下に小さな祠があり。

子供が1人入り込める隙間があった。

あのとき宏光は―



藤「出て来い宏光」

北「やだここに住む、あんなうち帰らないもん」

藤「宏光」

北「やだったらやぁ、太輔なんか嫌いだぁニコニコと愛想を振りまきやがって」



ふっ…

クリッとした瞳を潤ませ、自分だけを愛して欲しいと訴えていた。

可愛い我が子―



藤「分かった、分かったから!ギュッ」

北「太輔えぇーヒック」



しかし―



藤「いない、ここじゃなかったのか」



なら、どこに?



「なぁ知ってる?この先の空き家2・3日前から誰かいるみたいなんだって」



んっ?



「嘘、あそこって確か」

「うん、出るって話しだよね?」

「11歳くらいの男の子が2人」

「聞いたところによると、すっごく仲が良かったんだけど1人が名古屋へ引っ越すことになって」

「離れたくはなかった2人はあの家の中でって、それ本当かなぁ?」

「タマは信じないの」

「んーなんか嘘っぽい気がしてさ、フッ」



もしかして、そこか。



藤「君たち」

宮玉「‥‥っ」



古ぼけた家の中で、背中を丸め。



藤「ったく心配かけやがって、ふぅー」



宏光は眠っていた、あの時と変わらぬ寝顔で。





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