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(旧)短編☆中編小説集

第15章 秘め事~Himegoto

河「うっわ、やな感じ」

藤「なにが?ジロッ」

河「そっ、そんな目で見るなって俺はもう宏光のことは」

藤「のわりには、いつまで経ってもくっついているよな、ギロッ」

河「だっ…ダチだし」

藤「あわよくば隙を見て」

河「ぜーんぜん、考えてましぇん」

藤「本当だな?」

河「ちぃーとだけ」

藤「郁人!」

河「冗談だってばぁー」



ダッ!



藤「待て、そんな事をしたら火あぶりの刑にしてやる」



なに時代の人間だお前?



北「なんか、太輔が郁人と同じレベルに見えて来た」



あらがち間違ってはいないと思う、クスッ!

あの日―



北「俺はここにいる太輔の傍に」

葉「嘘をついたことは謝ります、でも」

北「今さら」

葉「‥‥っ」

北「あんたが嘘をつこうが傷つきやしないわ」

横「ミツ、気持ちは分かるがもう少し」

北「あっ、悪い」

葉「いいえ言われて当然ですから」

北「‥‥‥」



ミツは、こう言ったんだ。



北「あんたにはあんたの、俺には俺の人生がある」



だから、もう罪悪感を感じなくていいと。



北「生まれて来たから太輔にも出会え横尾さんや郁人にも会えた」



生きてて良かった。



北「そう思うことができたのも」



あんたが父親である男と、恋に落ち自分を産んでくれたから。



北「ありがと ニコッ」

葉「ぁ…あぁ‥ヒクッ」



とたん見るみる彼女の瞳からは涙が溢れ出し一件落着

今日に至るってわけ。

思った以上にミツは、大人だった。

優しさを兼ね備えた―





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