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(旧)短編☆中編小説集

第16章 心と身体の行方

北「つうか何かしたか」

藤「してない」

北「本当だな?」

藤「してないったら、してない」

北「本当にホント?」

藤「して欲しいの?」

北「うっ」



あれ?黙っちまった。



北「べっ、別に俺はお前のことなんか」

藤「んっ?」

北「なっ、なーんとも思っちゃいないし、あの日の事だって夢なんかで」



もしかして?



藤「思い出し、自慰なんかしたりしの?ニッ」

北「してないってば」



あっ、顔が赤くなってる。



北「おっ、男なんかでするわけね…ブツブツ」



さては抜いたな、ニヤリ!



藤「こっち向いてみ」

北「やだっ、プイッ」

藤「俺に会いたかった?」

北「んなわけ…クッ」

藤「顔を見て話せよ」

北「やだって言ってるだろ」



グイッ!

無理やり向けると、数㎝とない距離に互いの顔が近づいて。

そのまま唇を…



北「ちょ、おい」

藤「しっ ニコッ」



と、いきたいところだが。



藤「おまえ、なに期待しているの?クスクスッ」

北「なっ、あったま来た」

藤「あはははっ」



今は、やめにしとく。



北「もぉお前となんか遊ばないからな」

藤「遊びだったの?あれ」

北「はっ?」



したら止まらなくなりそうだからさ。



藤「そうか遊びで俺と寝たんだ」

北「ちっ、ちげぇよ」

藤「何が?」

北「俺は遊びなんかで」

藤「んっ?」

北「セッ、セッ…ク‥カァー」



あらら、また真っ赤になっちまった。

マジ可愛い、クスッ!



藤「俺も、遊びなんかじゃないよ」

北「嘘つけ」

藤「本気の本気、大本気」

北「なんだそれ?」

藤「言葉の通りさ」

北「わけ分からない」



それでもいい。



藤「さてと出掛けるとするか」

北「どこへ?」

藤「メシ食いに行くに決まってるだろ、ニコッ」

北「あっ」



徐々に分からせてやるから

その日、俺たちは形ばかりのデートをした。

北山は…

そんなつもりじゃなかったと言うだろうが。

俺にとっては、楽しいひと時だったんだ。

夢にまで見た―





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