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(旧)短編☆中編小説集

第16章 心と身体の行方

分かっていても…

半ば無理矢理に誘い強制的に抱いたのは俺だって。

それでも―



藤「あの時お前が何も言わず黙って帰ってしまうとまで思ってなかったんだ」



寂しかった―



藤「こうして肌を合わせている間だけは、俺のことを考えてくれるのなら」



何度でも、何回でも―



藤「気持ちよくしてやるから、なっ北山」



チュッ!



横「身体で縛りつけても、心が伴わなければいつかは離れてく」



わた…



横「それで傷つくのは太輔お前なんだよ」



いいんだ別に、フッ!



北「んっ、んんーっ」

藤「目が覚めた?」

北「藤…ヶ谷?」

藤「あぁ ニコッ」

北「藤ヶ谷太輔」

藤「へっ?」



いきなりフルネームかよ。



藤「なに?クスッ」

北「ここ、どこ?」

藤「お前んち、ニコッ」



大丈夫か?



北「どうして、お前がいるの?」

藤「はっ?」

北「あっ…カァーッ」

藤「思い出した?クスッ」



と、北山はモゾモゾっと。



藤「どこまで潜る気だぁ?それ以上さがるとベットから落ちるけど クスッ」



モゾモゾ、あっ戻って来た

ムクッと布団から顔を出し



北「あんま見ないでくれ」

藤「なぜ?クスッ」

北「はずい…カァーッ」

藤「クスクスッ、クスッ」



ギュッ!

少しでも長くこうしていたい。

チュッ―



北「んんっ」



叶う限り。



北「ふっ、藤ヶ谷、んっ」



こいつが、俺を受け入れてくれるのなら。

それが、今の自分の全てだった。

切ない胸の内の―





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