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(旧)短編☆中編小説集

第18章 ペット白書

次の日―

ホワイトタイガー、ホワイトタイガーね。



北「むかーし昔ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました」



本を漁り調べていたら隣でちょこんと膝を抱え。

座りながら、絵本を読んでいる北山。



北「なぁ、お爺さんとお婆さんってどんなやつで?」

藤「なに?おまえ見たことないの」

北「うん、ない」



いったい、どんな所に住んでいたんだろ?



北「どんぶらこーどんぶらこと桃が、うおっデッカイ食いてぇ」

藤「あはははっ」



あった、これだ!なになに

【ホワイトタイガー】

・白い虎
アルカディアでも珍しく、あまり見かけない。そのため生態は不明―

はっ?意味ないじゃん。



北「桃まんじゅー桃…まん‥じゅ…食い‥て…クゥー」



あれ?北山。



藤「寝てる、えっ嘘!?さっきまで騒いでいたのに 」

北「クゥークゥー」

藤「しかし、お前よく寝るなぁ クスッ」



そぉーっとそっと抱き上げ揺りかごの中へその身体を寝かせた。



北「んー藤…ヶ谷‥」

藤「なに?」

北「しゅ…き‥」

藤「ふっ、ありがと」



俺を飼い主として受け入れてくれ。



横「そっか、そんなに珍しい獣人なんだ」

藤「あぁ」



それから渉が北山のことを見に来てさ。



横「今度は起きているときに改めて挨拶しに来るよ」



騒いで遊んで食って寝て、動物なら当たり前の毎日。

でも俺は、それ以上のなにかをこいつに与えてやりたい。

そう思っていた―

俺のところへ来て、本当に良かったと。

そう思ってくれる何かを。





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