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(旧)短編☆中編小説集

第18章 ペット白書

あれから数ヶ月―

今日も俺は北山に振り回されていた。



北「なぁ藤ヶ谷?」

藤「なに」

北「風呂入りたい、ニコッ」

藤「湯なら沸いてるぜ」

北「そうじゃなく」

藤「んっ?」



さっ、サウナー!?



北「入りたいのぉー」

藤「無理だろ、どこに虎を入れてくれる所があるっていうんだよ?」

北「ホワイトタイガーだ」

藤「同じじゃん」

北「違うわ、一緒にするんじゃねぇ」



あらら今度はスネてるし。

でもその姿も可愛いんだよな、フッ!

すっかり親バカな俺。

仕方なく業者に頼み、自分ちに専用サウナを設置して貰うことにしたんだが。

ピンポーン!



塚「工事中は傍へ来ないでね、ニコッ」

戸「塚ちゃん、これ何処へ置いたらいい?」

塚「そうだなぁ」



何故だか北山は―



戸「うわっ、なに?」

北「遊ぼ、ニコッ」

戸「えっとーいま仕事中だから、ねっ?」

北「遊ぼってば遊ぼ」



グイッ―



戸「うわっ、引っ張んないでぇー」

藤「北山、なにしてるんだ邪魔しちゃダメだろ」

北「クンクン、いい匂いがする納豆!」

戸「分かった?朝、食べて来たんだ」

北「仲間、仲間あぁ」

戸「あはっ、クスッ」



おいおい、ハァ!

数分後、そこには遊びまくっている北山とは逆に。



塚「よそ見をしない」



どうして俺が代わりにやらなければならないのさ、ハァ



北「じゃあ今度はもちっといいことをしようぜ、ニッ」



しかし、事件はそこで起きてしまう。



戸「うっ、わああっ」



えっ、叫び声に振り向いたら。



北「うっまそ、ニヤッ」



その上へまたがり、今にも食らいつきそうな北山の姿が目の中へ飛び込んで来てよ。

ダダッ―



藤「こら、よせ!グイッ」

北「放せ藤ヶ谷、俺したいんだってばぁ」



勘弁しろよ…



塚「はつ情期じゃない」



げっ、マジで?



藤「北山、落ち着け!こいつは雌じゃない人間の男だ相手を間違えるんじゃね」

北「納豆の匂いが俺を誘うんだぁ」



バタバタバタ―

そんなのに、つられてるんじゃねぇよ。





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