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(旧)短編☆中編小説集

第20章 男と女の境界線

・玉森side

いっ、今なんて!?

ミツがいなくなってから、数日後。

俺は宮田の店で、驚くべき事実を知る。



横「間違いない、あの2人は一緒にいる」

玉「どうして!」

ニ「タマ」

横「宿の主人から聞いた話では、太輔がびしょ濡れになったミツを連れ泊まりに来たと」

玉「そっ、それでミツは」

横「翌日、俺とすれ違いに出て行ったらしい」



そんな…



ニ「わったー追いかけなかったの?」

横「もちろん後を追った、だがあいつは子供の頃から探検好きでこの街の抜け道を全て熟知している、俺の知らない場所もあるだろ」

宮「見つからなかったんだね?」

玉「くっ」



ヤバい、やばいよそれ。



千「でも男同士で失踪するなんて意味わかんね」

玉「…違う」

宮「タマ?」

玉「ミツは…ミッどうしよニカ」

ニ「落ち着けって大丈夫だから、ギュッ」



震え出す身体をニカが抱きしめてくれたけど俺は動揺してしまい。

つい…



玉「だって女なんだもん」

ニ「えっ」

千「うっそぉー」

宮「それホント!?」

横「なるほど、そういう事か」



あっ、言っちゃった。



玉「ぁ…あの‥」

千「なんで隠していたんだよ」

玉「それは」

宮「よほどの事情があるんじゃない?」

千「だからって」

ニ「もういいじゃん誰だって人には言えない事の1つや2つあるさ」

玉「‥‥っ」



ありがと、ニカ。



ニ「それより、2人を見つけ出す方が先決だろ」

横「ニカの言う通りだ」



わた…



横「しかし参ったな」

宮「横尾さん?」

横「あいつの行動から思うに太輔は多分ミツに惚れてしまったに違いない、だとすると」

玉「ダメだよダメ」

ニ「なんで?」

玉「ミツには許嫁がいるんだ、こんなこと国に知られたら大変な事になってしまう」

千「マジっ」

宮「もしかしてそれが嫌で逃げ出して来たの?」

玉「…うん」

横「太輔にもいる」

ニ「ガヤにも!?」



じゃこれって愛の逃避行?そんな訳ない。

あのミツが会ったばかりの男を好きになるだなんて、絶対にあり得ないし。





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