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(旧)短編☆中編小説集

第20章 男と女の境界線

と、その時だった。

バタバタと慌ただしく城の兵士が中へ入って来たかと思ったら。



兵「やはり、ここにいたか急ぎ城へ戻った方がいい」

千「なんだ、こいつらいきなり」

兵「アストリアの姫も数日前から行方不明になっているそうだ」

玉「‥‥っ」

横「姫が」

兵「内密に捜していたらしいが王子が姿を消した同じ日の昼刻に我が国の街中で歩いておられる姿を見つけ追ったところ見失ったと、先ほど知らせが入った」

横「つまりこっちにいると分かり協力を求めて来たって事か」

兵「そうらしい」



アストリアがセレネに。



横「分かった、取り合えずお前らは詮索を続けてくれ俺も後から合流する」

兵「頼んだぞ」



ダダダッ―



ニ「どういうこと」

宮「なぜ城の兵士がそんな事を言いにうちの店へ」

千「王子さまも、行方不明なのか」

横「いや」



なに?



横「仕方がない、言うしかないようだ」

ニ「わったー?」

横「実は太輔こそ我がセレネ王国の王子ってわけ」

千「へっ?」

ニ「ガヤ…が」

宮「おっ、王子さま!?」



嘘っ!?



横「今まで黙っていて悪かった」

千「じゃなに俺ら王子さまとお友達だったってこと」

ニ「すっげぇー」

玉「ぁ、あぁ…ガクガクッ」

宮「タマ?」

横「んっ」



ちょっと待って、ガタッ!



ニ「どうしたんだよ、突然立ち上がったりしてさ」

玉「信じられない、こんな偶然」

宮「えっ」

玉「もー頭の中がこんがらがって来た」

千「なに」



ってことは…

2人はお互い、なにも知らず惹かれ合い逃げているってわけ?

そんな必要ないじゃん。



横「捜すぞ」

ニ「でも何処を」

横「街中は全て当たった、残るは」

宮「林の奥」

千「確か滝の近くには洞穴があるって聞いた事が」

横「そこだ!」



ダダッ―



ニ「ガヤの奴、あんな人が足を踏み入れたことがないような場所へ、連れて行きやがって」

玉「えっ」



どういうこと?



宮「祖母ちゃんが言ってた狼とか出るんだろ」

玉「おっ、狼!?」

ニ「だから誰も近づいた事すらねんだ」

千「ひぇー大変だぁ」



ミッ、ミツお願い!無事でいて。

俺達はひたすら走り続けた

早く2人に、この事を知らせないと。

そう思い…





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