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(旧)短編☆中編小説集

第20章 男と女の境界線

北「ドックン…あっ‥また…‥硬く…クッ」



ズボッ、ズボッ!



北「んだめっ、だっ、んなすぐに、あひっ、あっあっああん」



マジできちまうってば。



北「…っ、ハァハァハァ」

藤「産めよ俺の子」

北「‥‥っ」

藤「嫌か?まだ」

北「分かん…ね」

藤「ふっ」



ギュッ!



藤「なんでそう拒む?わけを話してみろ、ニコッ」

北「…俺の‥母親は」



自分を産んだあと。



「残念ながら、もう」

「出来ぬと申すか?」

「はい」



元々身体が弱く1人が限界だったんだわ。

それで―



「跡継ぎが必要なのだ」

「では、私はどうしていろと」

「好きにしていればよい」



腹違いとはいえ弟は可愛い

だが寂しさから欲に狂ったあの人は―



北「女は子を産めなくなったら用済みなんか!クッ」

藤「そんな事はない」

北「お前も、俺に子ができなかったら放っぽるんじゃないの」

藤「しないよ絶対」

北「信じられっか」

藤「北山!」



信じたいんだ本当は、信じさせてくれよ。



藤「愛してやる、フッ」

北「‥‥っ」

藤「その不安を、打ち消すくらい愛してやるから俺と一緒にいればいい」

北「藤…ヶ谷‥」

藤「なっ?ニコッ」

北「だけど俺は!」

藤「無理して愛さなくてもいい、そのぶん俺が何倍も北山をたくさん愛してやるから」

北「おまっ」



ギュッ!



北「バカか、クッ」

藤「あぁ、フッ」

北「んな言葉で俺が…おっ‥うっ…わあぁ」

藤「寂しかったんだよな、お前も」



さわっ―

その手で、優しく髪の毛を撫でられた瞬間。

全てが洗い流されたような気がした。

暖かい温もりの中で…





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