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(旧)短編☆中編小説集

第4章 3人恋模様

・横尾side

渡さない、お前には。

息も絶え絶えに、グッタリしているミツの身体を抱きしめ。

俺は太輔を睨みつける。



藤「お前、クッ」



なんだ何か文句があるのか

ならどうして手を出さずにいた。

こいつはもう俺のもの今さら後悔しても遅い。

が、その時だった。



北「くっ、ううっ、ヒクッ」

横「‥‥っ」

北「嫌われちまった」

藤「宏光?」

北「太…輔‥に…うっわああぁーっ」



おまっ!?



北「もっ、元の俺達には、戻れね、あぁ、あぁーっ」



それを聞き思わず手の力が緩んでしまった途端にミツは。

床へ滑り込むようにしゃがみ込み。



北「ううあっ ヒクッ」



号泣してしまってよ。

違う、俺はこんな姿が見たくて戻って来たんじゃない

すると。



藤「なってねぇよバーカ」

北「太…輔?ヒクッ」

藤「お前の裸なんかガキのときから嫌ってほど見てるし」

北「でも…さ‥ヒクッ」

藤「ったくマジ面倒が掛かる奴だわ」

北「なっ」

藤「これで少しは自覚した」

北「何を」

藤「まぁいい帰るよ」

北「授業は?」

藤「そんなもん早退するに決まってるじゃん」



こいつ惚れた奴に手を出されたくせに全く動じていないのか?



藤「ほら ニコッ」



が、部屋を出て行く際クルっと後ろを振り返り。



藤「横尾っていったっけ」

横「あぁ」

藤「どんな事情があるのかは知らない、がこれからも手を出すっていうのなら、正々堂々とハートで勝負しやがれ」



なに!



藤「会って、いきなりっていうのはフェアじゃないんじゃね」

横「て事は遠慮せずアタックしていいって事か」

藤「選ぶのは宏光だ」

横「俺を選んだらどうする諦めるとでも」

藤「いや俺の気持ちは変わらない、こいつが誰と付き合おうと傍にいる」

横「バカな」

藤「そう?」

横「自分のものにしなくてなんの意味がある」

藤「そんなの必要ないさ、宏光を支えるのが俺の役目」

横「‥‥っ」

藤「自分のもの誰かのものそんな事に拘っているより俺は」



そう言うと泣きじゃくっているミツの頭を優しく撫で



藤「こいつの傍にいて泣きたい時は胸を貸し笑う時は一緒に笑い、笑顔が見れてればそれでいい」



バタン!





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