テキストサイズ

(旧)短編☆中編小説集

第5章 掛け替えのない

・藤ヶ谷side

北「うお、離れみたいだ」

仲居「こちらでございます何かありましたら遠慮なくどうぞ」



宿に着くと、子供のようにハシャいでる北山がいた。



北「すっげぇとこだなぁ、お前よくこんな所」

藤「ダチがここの常連で、教えてくれたってわけ」

北「ふーん」



さっそく浴衣に着替え俺達は夕飯を済ませる。



北「よっしゃあアルコールタイムと行こうぜ」



しかしマジでよく食うわ。

お前の腹の中を一度、見てみたいもんだよ。

それから―



北「なる程なら藤ヶ谷は」



2人で酒を酌み交わし語りながら。

俺は徐々に北山との距離を縮めて行き。

その肩へ手を掛けると。

頃合いを見計らい話を振ってみる事にしたんだ。



藤「ところで北山」



が、トロンとした上目遣いの瞳で。

見つめてくるその視線は、かなりヤバく。



北「んなに?」



俺のは既に準備万端、整っちまっていてよ。



藤「ニカと健永ってマジでデキてるの知ってた」



実は、こいつが飲んでいる酒は結構強いやつで。



北「ぁ…まぁ‥な…」



それに比べ俺のはノンアルコール。

前もって宿の人にそうしてくれるよう頼んでおいたってわけ。



北「それが…どうか‥したか」

藤「興味ない?その男同士でするの」

北「んーねぇ クスッ」



が、北山は即答して来やがってさ。



藤「めっちゃ気持ち良かったりしたらどうする」

北「んでもしなきゃ分からないじゃん、んなのよ」

藤「だったら、してみればいいんじゃない」

北「アホか、なに言って」



と、その時だった。

北山の身体がふわっと俺の胸の中へしなだれかかって来たのは。



藤「大丈夫か?」



慌てて抱き留めると。



北「わっ、わりぃ」



丁度いい具合に視線が合わさって。



北「んなぁ…この酒‥なんて言うんだ?んなんだか…酔い‥回んのが…早っ」



チュッ!



北「んっ」



やったぜ、まずは唇ゲットするのに成功した。



北「なっ、藤…んっ」



驚いて離れようとした北山の口を再び塞ぎ舌を咥内へと侵入させる。



北「んーっ、ビクンビクン」



それから、逃げる舌を追いかけ絡ませチロチロと刺激を与え。

―と、その身体が小刻みに震え出し。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ