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(旧)短編☆中編小説集

第6章 この想い君に届け

・横尾.side

五「手っ取り早く言えばさ藤ヶ谷をその気にさせせればいいって事だろ?」

横「それが、簡単に出来たなら苦労はしないさ」

五「でもあいつだって男だし興味ないわけじゃない」

横「なにが言いたいんだ」

五「一度、試してみて様子を伺い次の手を考えるっていうのはどう?」

横「どうやって?」

五「ニッ」



翌日―



北「ちょマジで言ってるのそれ?」

横「勇気を出せ」

五「チャンスは自分で作らなくちゃ ニコッ」

北「そうだけどさ」

横「太輔の反応次第では、そのまま誘惑してしまうっていう手もある」

北「無理だって、そんな事できっこない」

五「じゃ諦める?」

北「嫌だ!」

横「だったらやるしかないじゃん」

北「うっ、分かった」

五「頑張れ北山 ニコッ」



そして―



藤「映画の試写会?」

横「と言っても何処かの会場へ行くわけじゃなく」

五「俺の親父が友達に頼まれててさ」

横「自分ちでいいから見てアンケートに答えてくれればそれでいい」

藤「ふーん」

五「北山に話したら独りで見るんじゃつまらないって言うし」

横「おまえ付き合ってやってくれないか?」

藤「別に構わないけど」

五「じゃ今度の土曜日」

藤「あぁ」



よし、上手く行った。

もちろん試写会なんていうのは真っ赤な嘘で、見せる映画は。



北「うわっ、これが」



ゲイヒデオってやつ。



さぁ太輔、どうする?お前には持ってこいの作品だと思う。

結果が楽しみだ、フッ!

頼むミツを見てやってくれイジらしいくらい、お前に惚れてるんだからさ。

そんな…

祈るような思いで俺は当日の朝を迎えたんだ。

太輔に伝わる事を願いつつ





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