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(旧)短編☆中編小説集

第6章 この想い君に届け

・藤ヶ谷side

映画の試写会ねぇ…

題名は、何ていうんだって聞いたら。

試作品だから無題だと言いやがった。

なぁーんかうさん臭い。

俺に、その手のビデオでも見せようって魂胆か。

だとしても―

全くく興味がないわけじゃないし。

知りたい事もあったから、丁度いいかもしれない。

そう思い乗った。



北「んなんか…飲む?」

藤「ビール」

北「へっ?」

藤「冗談さ、クスッ」

北「ビックリさせんなよ」

藤「あはっ、悪い」



この学校へ来て、わたとはすぐ仲良くなったのもあり

五関とのことも含め男同士の恋愛に偏見はない。



北「ジュースでいい?」

藤「あぁ ニコッ」



元々トッツーがそうだったこともあるんだが。

しかし、こいつはどうなんだろう?

ずっと気になっていた。

誰かと付き合っている様子はないし。

かといって彼女がいるようにも見えず。

時折…

やけに切ない眼で俺のこと見つめている気がしてさ。

ほら、また。



北「あっ…じゃ‥始めよっか、ハハッ」



北山の家は共働きで土日に関係なく昼間は親がいない

俺達はベットを背にし並んで座るとDVDのスイッチを入れた。

すると案の定―



「こんにちは、まずは質問をさせて貰おうかな」



ふっ、インタビュー式ゲイビデオってわけ。



「自分は男同士ではできない、抵抗を感じる」

「はい、そういうのは」

「けど少しは興味ある?」

「そりゃ…でも‥」

「肝心のモノが勃たないんじゃないか?とか」

「まぁ ハハッ」

「じゃあ試してみよっか」



ってか、なんだこれ?

どうやら素人みたいだが、小遣い稼ぎに釣られ。

街角かなんかで、スカウトされた口って感じ。

まぁ、よくある話しだわ。

聞いた事はあったから別に驚きはしないけど。

普通、こういうのって。

スタッフだか男優だかに、やられてしまうってオチなんじゃないの。

が、このDVDは…

素人の奴が、やってしまう方なんだ。



「そう同じ男だから、どこが感じるか分かるでしょ」



脇で聞こえる声は多分スタッフかなんかだろう。



「乳首も感じるから触ってしゃぶってごらん」



的確に指示つうか教えどんどん先へと進んでく。





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