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(旧)短編☆中編小説集

第6章 この想い君に届け

・藤ヶ谷side

「前立腺を探してみて」



しかし、妙にリアルで興奮するな。



「後は好きにしていいよ、挿れちゃえばやり方は男も女も同じだし」



あげくやられてる側の喘ぎ声が、マジで堪んない。

男があんな声を出すなんて初めて知ったよ。

隣にいる北山も、声も出ず見つめていて。

いや、こいつは…

ふと下へ視線を向けたらば股間が膨らんでるのが分かり。



藤「おまえ興奮してるの」



とたんハッと我に返ったかのように慌てて両手で抑え恥ずかしそうに俯いた。

可愛いじゃん、クスッ!

その仕草に、なんだか俺は意地悪したくなってしまい



藤「別にいいんじゃない、それがお前の本質ならさ。でしたい方?されたい方、どっち?」



そう聞くと。



北「さ…れたい‥方」

藤「ふーん、やっぱお前もその道の奴だったんだ」



正直に答える北山に。



藤「のわりには相手いないみたいだけど経験あるの」

北「おっ、俺は好きな奴とじゃなきゃしたくないからその…まだ」

藤「ないんだ?フッ」

北「そういう藤ヶ谷はどうなんだよ」

藤「俺?」



逆質問と来たか、フッ!



北「やっぱ、女の方がいいんだろ?」

藤「さぁ、どうだろ」

北「したことあるの?」

藤「セックス?クスッ」

北「んまぁ」

藤「1年のとき彼女がいたから一応は」

北「そっ」



と、そのとき。



北「今はいないんだろ?」

藤「んっ?」

北「だったら俺と付き合って下さい」

藤「はっ?」

北「ダメ…か‥」

藤「ぁ…‥」



また、随分と唐突に言って来やがってよ。

それがお前の俺を見つめる視線の意味だったってわけ





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