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(旧)短編☆中編小説集

第1章 少年メイド

千「良かったどうしようかと思ったぁ」

藤「俺がいるの全く気づかなかったくせに、クスッ」

千「そっ、そうかぁ」

北「うっ」



あげく俺のことを完璧に、無視しているし。



藤「そうだ紹介しとこう、こいつ昨日から俺のメイドになった北山宏光」

千「宏光?」

北「はっ?」



いきなり呼びつけか!



藤「千賀健永と言ってな、親戚の宮田俊哉のメイドをしている」



ってか小せぇなーいくつ?



藤「6歳だ、フッ」

北「げっ、マジで」

千「別に驚くことないじゃんニカんとこのタマは7歳だし」

北「なっ、7歳!?」

千「宏光も、それくらいだろ?」

北「俺は!」

藤「こいつは10歳だ」

千「うえぇーっ、ちぃせ」

北「なに!」



お前に言われたかないよ。



藤「ぷっぷっぷっ」

北「笑うな、クッ」



この、えろヶ谷!

そこへ宮田って奴が来たんだが。

これまた変な奴で背中にリュックなんか背負っててよ



宮「どうも、お騒がせしました」

藤「猿はちゃんと繋いどけ」

千「猿じゃねぇや」

宮「今度からはそうしまーす、ニコッ」

千「うえっ、そんな事したら拗ねちゃうからな」

藤「あははっ」



またまた、わけ分からない展開になって来やがったぜ

とつぜん現れた、おかしな2人。

お陰で、さっきまでの淫らな雰囲気はどこへやら。

瞬く間に消え失せて。



藤「で、何しに来たんだ」

宮「ガヤさんのメイド君に会って見たくてね」

藤「それだけ?」

北「‥‥‥」



俺は見せもんじゃないぞ。

賑やかな空気に打って変わり、そのまま屋敷へと戻ってく。

けれど―

俺はそこで驚くべき光景を目の当たりにする事となるんだ。

こいつらにとってメイドっていったい何なんだよ。

それを知ったのはもう少し先のこと。

笑顔の裏にある見せない顔

そう閉ざされた空間の中で奴らは生きていた。

孤独と共に―





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