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(旧)短編☆中編小説集

第7章 新しき絆

・藤ヶ谷side

藤「北山とですか行かないですよ」



よくあるアイドル誌のインタビュー。



「メンバーで一番仲がいいのは?」


“わた”



「弟にするとしたら」



“健永かな”



「恋人は」



小さい頃、好きなタイプの子に対し意地悪をしてしまう典型的な子供だった。



藤「玉森ですかね」



小学生から Jr.入りしたせいか先輩たちに可愛がられ。

が、家に帰れば兄貴。

初めは弟気分を味わえ楽しかったけれど。

途中から長男の気質が出てしまい。

特にタマたちが加入しKis-My-Ft2になってからは。

しっかりしなければという気構えが強く。

いつまでも無邪気ではいられない。

北山は常にカッコよくて、決めるところは決め。

やるところは見せる本来は負けず嫌いの性質。

それが表面上に出ていた。

だから自分も負けてはいられないと。

ある意味、いいライバルだけど相棒。

そして俺の中で、あいつは



北「なぁ、たまには飲みに行かね」

藤「悪いパス」

北「やっぱ、フッ」



ダメなんだ2人きりでは。

どんどん無邪気になっていく北山、その姿は眩し過ぎるくらいで。

絶対になれない。

遠ざけてしまっている自分と過去。

不器用な恋しかできなかった自身が重なって見えた。



河「いつまでそうやってるつもり先は長いんだぜ」



分かっている。



河「トッツーから聞いた、あいつ気にしてるみたい」

藤「何を」

河「お前が本当は自分の事どう思っているのか」

藤「どうって」

河「クールな態度ばかりしてるから変な噂が立っちまってるんだろ」



あれは―



藤「言いたい奴には言わせておけばいいじゃん」

河「自分達をちゃんと見てるファンなら分かるはず」

藤「あぁ」

河「確かに間違っちゃいない、だが」



何だよ。



河「宏光の気持ちは、どうなる」

藤「えっ」

河「あいつは、どう思っているのかな」

藤「‥‥っ」

河「おまえ気にならないの」

藤「それは」

河「俺だったら気になっちまうけど」



そりゃ知りたいに決まってる、けどきっかけが掴めない

誘い断らなければ良かったかな、フッ!

遅すぎる後悔―

が、ひょんなことからその機会はやって来る事となる

ツアー先のホテルの一室で





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