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暗闇の向こう側

第2章 向こう側は…

相葉side

目が覚めると隣でスースーと寝息が聞こえる。俺よりも年上なのに、この可愛さは反則だな。
触りたいな…いいかな…と迷っていると急にギュッと抱き着いてきた。

智「起きたの…?」
もぞもぞ動いてる、体温高いし子供みたい。

相「うん、もう、お昼だよ…」

智「もうちょっとだけ…」
俺もギュッと抱き締め返すと、フニャっとした笑顔でまた寝てる…じっと見てしまう、飽きないな…

智「見過ぎ…」
あれ、見てるのバレてるじゃん…

相「いいじゃん、ふふふ」
二人で目が合うと笑ってしまう、なんだかデレデレしてしまう。なんだこれ??でもこんなことが嬉しい…

智「お腹空いた…あっ…絵、描かないと…」
そうだ、絵の道具を持ってきて俺の部屋にきてたや。納期があるだろうし、やることがいっぱいあるのに、わざわざ、俺のところに来てくれた…

智「雅紀、俺が会いたいから来たの。だからそんな顔すんなよ。本当に思ってることが顔に出るんだから(笑)」
なんで俺が思ったことがわかるんだろう、そんな顔してたのかな…

相「うん…、ご飯しよっか?」
昨日のコンサートの前に食べてから何も食べてないな、お腹空くはずだ。

智「うん、起きよっか…あっ…」
起きようとしてよろけてる・・?あっ、俺のせいか…

相「腰痛い??」

智「うん、ちょっと…」
智をひょいっと抱き上げた。抱き上げる度にいつも軽くてびっくりすんだよな。この人、体重何キロなんだよ…

智「うわ!!マジ??」

相「マジ、腰痛いんでしょ?嵐のリーダーが踊れなくなったら俺、会社とみんなから殺される。だから今日は俺が介護する」

智「介護ってなんだよ、大丈夫だから下して」
そうも言いながら俺の腕の中で収まってるし、首に手を回してくるし…、やることが可愛すぎる。

相「今日だけね、ソファでいい??」

智「うん」
ソファに卸すと、ニコって笑ってくれる。

相「パンとコーヒーでいい?」

智「うん」
持ってきている画材道具をテーブルの上に出してる、もう気持ちは絵のほうに向いてるんだ。すごい集中力だな…

キッチンで一人、冷凍しておいたパンを焼き、コーヒーを入れる。部屋中にコーヒーの匂いが漂う。
外を見ると天気がイマイチなのか淀んだ空、東京の空にはぴったりな気がした。

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