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暗闇の向こう側

第2章 向こう側は…

相葉side

近くの駐車場に車を止めて、マンションのエントランスに行くと、スーツを着た若い男性が待っていた。

マネージャーがその男性に声をかけて挨拶している。
どうやら不動産会社の人らしい。俺らは少し離れたところで待っていた。少しするとマネージャーと男性社員がこちらに来て、マンションの中へと案内してくれる。

智のマンションと同じ作りなので何となく雰囲気はわかっていた。部屋へ入ると向きが違うだけで智と同じ部屋だ。

翔「智くんと同じ作りじゃん、向きが違うだけかな?」

相「そうだね、見える景色が若干違うかな…」

男性社員がその会話を聞いてるんだろうけど、反応せずに部屋の説明をしてくる。一人暮らしだと十分な広さだし、今の部屋は2LDKだけど、1LDKになるのか…。
荷物も減らさないとダメだし、誰か来ても泊める部屋がなくなるな。弟はリビングで寝てもらうしかないな。

ベッドルームを見ると広さがあるように感じるけど、ベッド入れたら狭いだろうな…。

マネ「どうですか?」

相「う…ん、即答しないとダメかな?それとも返事は待ってもらえるの?」

社員「待ちますが、この物件だと人気なのでなるべく早く返事が欲しいところです」

翔「とりあえず返事は後日でいいじゃない?」

相「うん、中見れたので検討します」

社員「わかりました、また良い物件があれば声かけさせて頂きます」

相「お願いします」

30分ぐらいで内見は終わった。翔ちゃんに付き合ってもらったので、ご飯食べにようかな…とりあえずはマンションの外に出て、不動産会社の社員さんと挨拶をして別れる。
マネージャーが送りの確認をしたので、断った。
マネ「ここでいいんですか?」

相「ありがとう、ここから二人でご飯行くからいいよ」

翔「お疲れ様~」
そういってマネージャーは車へ戻っていた。

翔「どこ、ご飯行く?」
翔ちゃんが携帯でお店をチェックしてくれている。
あっ、智の部屋が近い!

相「このマンションの隣、大ちゃんのマンションだよ。大ちゃんに電話して家でご飯食べて待ってたらダメかな?」

翔「鍵ないじゃん。あの人、ドラマの打ち合わせ中だよ。終わり遅いかもよ…」

相「鍵持ってる。電話してみてダメなら、どっか行こうよ。ダメ?」

翔「…いいけど…」
すごい、怪訝そうな顔して俺を見てる。何でって顔だな。

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