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暗闇の向こう側

第1章 闇は深い

相葉side

俺、大ちゃんにキスして気がついた…この人の事、本気で好きなんだ。この優しさに救われてる…抱いた時にはそんなこと思わなかったのに。

でも大ちゃんは俺のことを仕事仲間として好きなだけだ。ノンケだし、これ以上、俺が好きなんて言ったら大ちゃんは困るはず。

困った顔なんかさせたくない、今の関係を壊したら、二度と笑顔を見せてくれなくなる。それのほうが嫌だ…
キスなんてするんじゃなかった…

今のキスだって、俺が泣いたからしてくれただけで、深い意味はないはず…

これ以上一緒に居たら俺はもっと好きになり、押し倒すかもしれない、早くここ立ち去らないと…

逃げるように洗濯物を取りに洗面所へ行く。あからさまだったから、大ちゃんが困惑してる。洗面所まで追いかけてきた。

洗濯機から洋服を出していたら、顔を見ろと言ってくる。見れない、どんな顔すればいいのか分からない…

智「俺がなんかした?」

洋服を全部取り出し、大ちゃんの顔を見る。綺麗な目で俺を見ないでよ…

相「大ちゃんは何もしてないよ、俺が悪いだけだから。大ちゃんの服と俺の服がグッチャグチャ、分けないと」

智「どう言うこと?」
そんな顔しないでよ、させたのは俺か…

相「キスして恥ずかしくて逃げちゃった」
ワザと明るい顔でバカなフリをしてみた。
俺は本当にバカだな…これから他の人を好きになれんのかな俺

智「本当?」
疑ってる、顔が険しい。

相「服、分けよう」
リビングに向かい、ソファに服を広げてた。服を挟んで大ちゃんが座る。しばらく無言で服を分けていく。

智「なんで…なんで…したの?」
服を分けながら、俺の顔を見ないで聞いてくる。やっぱり、気になるよな…

相「なんとなく…前にいて目が合ったから…ごめん…」

智「そうなの…」
それ以上は聞かないでよ、どうしよう、この気まずい雰囲気

智「今日はもう遅いから泊まって行ったら?」
マジで言ってるの…、やっぱり俺が好きだなんて思ってない。気まずいのによく泊まるかなんて聞いたな…

相「今日は帰るよ、もうここにいる理由はないから…」

智「そうだね…」
本音を言わない、聞かない…、正確にはお互い関係を壊したくないから聞けない。このまま、さっきのキスをなかったことにすれば、明日から今まで通りになるだろう…

洗濯物がたたみ終わり、無言になった…

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