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暗闇の向こう側

第1章 闇は深い

相葉side

やっぱり、このまま無かったことにはできないか…。大ちゃんは疑問点は確認する、そうじゃないと動かないタイプだもんな…

でもこれ以上は無理だ、大切な人って思ってもらえてるだけで十分だな。
掴まれた大ちゃんの手を払い退ける。相変わらず綺麗な手だな…

相「こんな俺にそんなこと言ってくれるのは大ちゃんだけだよ…」

また無言になる…顔を見ると真っ直ぐに俺を見てる。綺麗な目と目線が合う…

相「大ちゃんは俺をメンバーと言う意味で、大切なんでしょ?それ以上でそれ以下でもないよね?だから…これ以上はしないよ」
精一杯の笑顔をしてみせる。こんな気持ちでも笑えるって、アイドルって職業は本当に…悲しいな。

智「そうなの?」
何その反応?なんで疑問形?この人は…本当に天然だな。笑える。

相「そうなの。それ以上、大ちゃん、出来ないでしょ?」

智「うん…、無理。でも俺、相葉ちゃんといるの楽しいよ。それだけじゃダメなのかな?」
なんだよ、その可愛く返事する姿。小悪魔だな。

相「ダメだよ、俺は一緒にいたら大ちゃんを好きなるよ。好きなら付き合いし、それ以上もってなるじゃん…」
好きって言っちゃたじゃないか…もう。すでに好きだし…

智「好きになっちゃ、ダメなの?」

相「ダメなのって…大ちゃん?」

智「言ったじゃん、男だからとか、女だからとかじゃなくて相葉ちゃんだから好きって。このまま一緒にいるだけじゃダメなのかな…」

スゲーこと言うな、小悪魔だよ。
いや、大ちゃんの素直な気持ちなんだろうな…、俺が考え過ぎてたのか!

相「好きって言ったら、先を考えてくれんの?」

智「好きになったら考えるよ、まだそうじゃないじゃん」
この小悪魔め!俺、もて遊ばれてる?あれ?

相「何それ?」
なんだろ、この脱力感…ダメだ、考えがまとまらないや。この人に振り回されてるよな…

智「とりあえず、今日は泊まっていったら?続きは明日にしない?眠いよ…」

相「えっ!?」

智「早く!」
スタスタとリビングに向かって歩いていった。ちょっと?

相「大ちゃん!」
勝手に話し進めんなよな…、でもこの大ちゃんのペースに巻き込まれるのは嫌いじゃない。好きな人にしか見せない態度、これが心地よい…
リビングに行くといなくて、キッチンで冷蔵庫を開けてる。

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