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暗闇の向こう側

第1章 闇は深い

大野side

相葉ちゃんは何を遠慮してるんだろう…。
好きなんて気持ちは頭で考えるもんじゃないし…、色々、考えるよりは今は楽しいことを優先してもいいと思う。

俺のためとか考えてるんだろうけど…、そんなこと考えなくていいのなに…。

玄関で立ち話しても解決する話じゃないし、そろそろ眠くなってきた。明日、話せばいいや、遅いから泊まっていけばいいし。
そう言ったら、ビックリした顔になってる。おもしろい。

とりあえずビール飲もうとキッチンの冷蔵庫に向かう。後ろから相葉ちゃんが追いかけてきた。

相「大ちゃん!」

智「ビール飲む?飲もう」
キンキンに冷えたビール缶を相葉ちゃんに渡す。

相「ありがとう」
困惑してる、俺の考えが読めないからだろうな…

智「相葉ちゃん…俺に遠慮する必要なんかないよ。好きになってくれたら俺、ちゃんと考えるから。それ以上出来るかなんて、その時でいいじゃん。今は楽しいと思うことをしたいし、それは一緒にいたい人とと思うんだけど…」

相「これ以上踏み込んでいいの?」
素直じゃないな…もう…優しいからまた相手の気持ちを考えてるや…

智「どうなるかなんて、その時に考えたらいいじゃん」

相「そうだけど…」

智「それに相葉ちゃん、俺のこともう好きでしょ?」
きまずそうにしている、そうだよね。はっきりとは言えないよな。

相「えっ…まぁ…うん…」

智「キスするなんて好きじゃなとしないじゃん、だから気づいちゃった。ふふふ」

相「…」

智「俺、相葉ちゃんを好きだよ、すぐにどうこうとかは無理だけど…」

相「えっ??」

智「ねえ、ビール飲んだら寝ようよ、もう2時だよ」

相「大ちゃん…展開が早いよ!」
こんな優しくて俺だけのことを考えてくれるのは相葉ちゃんしかいないだろうな…。うまく説明できないけど好きは好き。
友達以上で、仕事仲間で本当に大切な人。

智「この何日か一緒にいて楽しかったから、居なくなるのが寂しい…今日は泊まってよ」
これは俺の本音…、久しぶりに誰かいる楽しさ、心地よさを知ったら元に戻るのは寂しい。

相「いいの?俺が好きになっても?こんな酷いことしたのに?…」

智「いいよ」
言葉だけじゃ足りないように見えたから抱きついてみた。そっと優しく抱き締めてくれた。これがお互いの出した答え…

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