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ふたり、溺愛中

第7章 キスだけじゃ、我慢できない…っ

「…さて、そろそろ行かないと」





時計を見ながらコーヒーのマグを置いた悠さんが、そう言って立ち上がった。



あーん、またひとりぼっちの一日が始まっちゃうんだぁ。

そう思うと、途端に胸がキュゥンっと切なくなるの。






「…あれ?
でも悠さん、お店は夜からなんだよね。
今から行くのは、お仕事じゃないの?」




とりあえず、夜が遅い理由は何となくわかった。

でも、だとしたら、今からはお仕事じゃないって事?






「…ん、もちろん仕事だよ。
店以外にも、いろいろする事があってね」




「そうなんだぁ。
大変なんだね。お疲れさま」




「…ありがとう」





悠さんは、年商3億の社長さんなんだもんね。

一般人の私には知らない世界だろうから、多分わからない事だらけだよ。






「じゃあ、行ってくるね」



「うん。
気を付けて、行ってらっしゃい」






玄関まで一緒に行き、私はそこで見送ろうとした。






「ま 待って!」




たけど、ドアを開けて行こうとする悠さんの袖を、ギュッと掴んで止めたの。






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