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ふたり、溺愛中

第9章 紫のスーツの彼は

「………?」



煌さんに出されたメニュー表には、お酒やおつまみ的なものではなく、全く予想外な内容が描かれていた。



いろんな男性の顔写真と名前のようなものが、何人も載っている。


え、これってどういう事?





「姫様の指名ホストを登録するので、選んで下さいね。
この度は初めてなので、何度でもチェンジできますよ」




「え、ホス ト…?」




ホストって、あのホスト!?

行った事はないけど、言葉だけなら知っている。



高額のお酒を扱っている、イケメンスタッフさんたちの総称だ。



キョロキョロとまわりを見渡すと、まだお客さんもほとんどいないからピンと来なかった。

この案内係の煌さんも、もしかしてホストさんだったのかな。




…て事は、悠さんも………?








ペラペラと煌さんの出されたメニュー表をめくってみたけれど、そこには様々なイケメンホストさんの写真があるだけ。

悠さんの写真や名前は探してみたけど、それはどこにもなかった。





(…なんだぁ。
でも、ちょっぴり安心しちゃったかな)






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