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ふたり、溺愛中

第9章 紫のスーツの彼は

「あの…」



"悠さんは、いつここに来るんですか?"


そんな言葉が出そうになったのを、グッと飲み込んだ。



そうだった。
今日は、悠さんのお仕事の邪魔はしない約束でここに来たんだっけ。


だったら、催促みたいな事は言っちゃいけないよ。






「姫様、どうしました?
どのホストにするか、決まりましたか?」



「えっと……」




まさかここがホストクラブだなんて思わなかったけど、でもそれならそれで、ここのルールには従わなくちゃ。






「えっと、じゃあ私、煌さんでお願いします!」




「えっ、おれ!?」



「ええっ
ダメでした!?」




ああやっぱり、この人は受付スタッフなだけで、ホストさんじゃなかったんだぁ。


スーツも上手に着こなしてるし、そういえばメニュー表には写真も名前もないや。




うーん、ホストクラブなんて、私にはよくわからないよぉ。






「えーっと、じゃあ誰か違う方を…」


「ままま待って!…下さいっ
お おれで良かったら、是非お願いします!」




「あ…はい。
こちらこそ…」




「(やったぁぁ!
ずっとヘルプだったのに初指名だぁ!!)」





何だかとても喜んでる風の煌さん。

やっぱりホストクラブって、よくわかんないや。






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