テキストサイズ

ふたり、溺愛中

第9章 紫のスーツの彼は

まだお客さんが少なかったのが、時間とともにポツリ ポツリと増えていった。




「クローっ、遊びに来たよー!」


「待ってたよ。
今日は何ゴチソウしてくれんの?」



「うふふっ
いっぱい奮発しちゃうから楽しみにしててね!」






ちょっぴりお化粧の強い女性や、露出の高い女の子が来たかと思えば、お店の中はどんどん賑やかになっていったの。


だって高級なお酒の注文が入れば入るほど、スタッフのホストさんたちが歓声をあげるんだもん。






「………えっと、姫様。
姫様は、他にご注文は…?」



「え、あ…」






そういう私はホストクラブに来ていながらお酒は飲めないわけで、ドリンクのメニュー表にかろうじてあったウーロン茶をちびちびと飲んでるだけだった。


だって、ウーロン茶なのにボトルで来るんだよ。
そんなに飲めないよぉ。





「えっと、ごめんなさい。私、お酒飲めなくって…」





ただ単に、悠さんのお仕事してる姿が見れるかなと思って来ただけだから、本当は注文とかが目的じゃないもんね。


そうすると、この煌さんには迷惑なだけかもしれないなぁ。









「アルコールがダメなら、このヴァージンスクリューなんてどうかな?」



「え?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ