ふたり、溺愛中
第9章 紫のスーツの彼は
家に帰った時には、もう22時を過ぎていた。
でも悠さんが帰ってきたのは、私よりもずっとずっと後で。
「ん……おはよう、悠さん。
それと、お帰りなさい」
朝、目が覚めたら私の隣には悠さんが帰ってきてくれてるの。
「お疲れさま。
毎日遅くまで、大変だね」
眠ってる悠さんの顔に近寄ると、私はそのまま唇を重ねた。
「………ふふっ
やっぱり、起きないよぉ」
結婚してから、毎朝お寝坊さんだなぁって思っていたけど、あんな夜遅くまでハードなお仕事してたんだから、それは仕方ないよね。
さすがの私も、納得しちゃったよ。
けれどお酒をあんなに飲んだりして、身体は大丈夫なのかなぁ。
「いっぱいお寝坊していいよ。ゆっくり休んでね。
でも、いくら社長さんだからって無理はしちゃダメだよ」
よく眠ってる悠さんの髪にそっと手をあてると、私はなでなでしてあげた。
ずっとひとりぼっちで寂しかったけど、お仕事頑張ってる悠さん見たら、そんな事言ってられないもんね。
せめて一緒にいる時くらいは、私がいっぱい悠さんを癒してあげよっと。
…ね、悠さん。